サンダーの刃を替えたいのに、どこを外せばいいのかわからない。取扱説明書を開いても刃という言葉が見つからない。そこで手が止まっていませんか。木工や塗装の下地づくりに使う仕上げサンダーやランダムアクションサンダーには、丸ノコのような刃はありません。替えるのは研磨用のサンドペーパー(取扱説明書の表記ではサンディングペーパ)です。ディスクグラインダーをサンダーと呼んでいる場合は、砥石の交換を指します。
どちらも作業は数分で終わります。ただ、手順の理屈を知らないまま進めると、ペーパーがたるんで破れる、吸じん穴がずれて粉が舞う、砥石のナットを逆向きに付けるといった失敗につながります。この記事では、マキタとボッシュの取扱説明書、労働安全衛生規則と厚生労働省の資料を一次情報として、交換の手順と、それぞれの手順に意味がある理由を整理します。
先に結論をお伝えします。最初にプラグを抜くこと、ペーパーは方式と穴の位置を合わせること、砥石はナットの向きと試運転の時間を守ること。この3つを押さえておけば、サンダー刃交換で迷いにくくなります。
・サンダーで替えるのが刃ではなくペーパーや砥石である理由と、自分の工具の方式の見分け方
・クランプ式とマジックファスナ式のペーパー交換手順、吸じん穴とパッドの穴を合わせる意味
・粒度#60〜#240の使い分けと、ペーパーが外れる・粉が舞うときの原因
・ディスクグラインダの砥石交換でロックナットの向きと試運転の時間が決められている理由
サンダー刃交換で替えるのは刃じゃない?ペーパーと砥石の見分け方

仕上げサンダーの刃にあたるのは紙やすり
仕上げサンダーやランダムアクションサンダーで交換するのは、刃ではなくサンディングペーパです。研磨工具は、ペーパーの表面についた砥粒(とりゅう)が細かな刃物のように材料の表面を少しずつ削る仕組みで動いています。削る役目を果たしているのは砥粒なので、砥粒がすり減ったり粉で埋まったりしたらペーパーごと貼り替える。これが交換の考え方です。
実際、マキタ 仕上サンダ BO3700 の取扱説明書では、標準付属品としてクランプ式ペーパ #60・#120・#240 各2枚とダストバッグが挙げられています。刃にあたる部品は載っていません。本体側には、ペーパーを固定するためのパッドとペーパクランプがあるだけです。
やりがちなのは、刃を探して本体底面のネジを外し始めてしまうことです。底面のネジはパッドそのものを固定しているもので、ペーパーの交換では触りません。まずは取扱説明書の付属品欄と各部の名称を見て、ペーパクランプがあるのか、マジックファスナ面のパッドなのかを確かめるところから始めると、外すべき場所で迷わずに済みます。
ディスクグラインダーをサンダーと呼ぶなら替えるのは砥石
金属の研削などに使う円盤状の工具をサンダーと呼んでいる場合、交換するのは研削砥石です。こちらはペーパーを貼る道具ではなく、軸に円盤を挟み込んで高速で回す構造になっています。
マキタ ディスクグラインダ 9015B/9016B の取扱説明書では、スピンドル(回転軸)にスーパーフランジを取り付け、研削砥石をのせ、ロックナットで締め付ける手順が示されています。適合する砥石の寸法も、9015Bは外径125mm×厚さ6mm×内径22mm、9016Bは外径150mm×厚さ6mm×内径22mmと機種ごとに指定されています。
ここで起きやすい失敗が、ペーパー交換と同じ感覚で進めてしまうことです。砥石は高速で回転する部品なので、ナットの向き、締め付け、ヒビの確認、試運転といった、ペーパーにはない確認項目が加わります。同じサンダーという呼び名でも、手順の重さが違うと理解しておくのが安全です。手元の工具の名称がディスクグラインダであれば、この記事の後半(砥石交換と試運転の章)を中心に読んでください。
自分の工具の方式は底面と付属品で見分ける
方式の見分けは、本体の底面を見るのが確実です。前後にペーパーを挟むレバー(ペーパクランプ)があればクランプ式、パッドの表面が面ファスナーになっていればマジックファスナ式、中心に軸とナットがあればディスクグラインダの系統です。
注意したいのは、同じ機種でも方式が変わる場合があることです。BO3700の取扱説明書では、クランプ用パッドコンプリートの底面4本のネジを外し、別販売品のマジックファスナ用パッドに取り替え、外した4本のネジをしっかり締めることで、マジックファスナ式に変更できると案内されています。中古で譲り受けた工具や、以前に誰かが付け替えた工具は、型番だけで判断すると方式を取り違えることがあります。
付属品と底面を見比べ、それでも迷う場合は型番からメーカー公式の取扱説明書を確認してください。以下に、今回参照した取扱説明書から交換対象と固定方式を整理しました。
| 項目 | 仕上サンダ(クランプ式) | マジックファスナ式・ランダムアクション | ディスクグラインダ |
|---|---|---|---|
| 交換するもの | サンディングペーパ | サンディングペーパ(摩耗時はパッドも) | 研削砥石・サンディングディスク |
| 固定のしくみ | ペーパクランプで先端を挟む | 面ファスナーで貼る・はがす | フランジとロックナットで挟む |
| 交換に使う道具 | 不要(穴なしペーパーはパンチプレート) | ペーパーは工具不要。パッド交換はトルクスレンチT20(ボッシュの例) | ロックナットレンチ+シャフトロック |
| 寸法の例 | 93mm×228mm(BO3700) | 93×185(BO3700)/125mmφ(PEX260AE) | 外径125mm×厚さ6mm×内径22mm(9015B) |
| 注意点 | たるみなく張る・穴を合わせる | 接着剤付ペーパー不可・面のほこりを払う | ナットの向き・ヒビ確認・試運転 |
ペーパクランプ:クランプ式サンダーでペーパーの端を挟んで固定するレバー。
マジックファスナ:面ファスナーでペーパーを貼り付ける方式。
ラバーパッド:ランダムアクションサンダーでペーパーを貼る円形の台座。
ロックナット:ディスクグラインダで砥石を軸に締め付けるナット。
シャフトロック:付属品の着脱時に押し込んで軸の回転を止めるボタン。
クランプ式のペーパー交換は、たるみなく張れるかで仕上がりが決まる
最初にプラグを抜くのはスイッチの誤操作を防ぐため
交換作業の1番目は、スイッチを切り、プラグを電源から抜くことです。BO3700の取扱説明書には「サンディングペーパの取り付け、取りはずしの際は、必ずスイッチを切りプラグを電源から抜いてください。」と書かれています。
理由は単純で、交換中は手がパッドのすぐそばにあり、本体を握り直したり裏返したりする動作が続くからです。握った拍子にスイッチが入れば、指を添えたままのパッドが動き出します。ボッシュの吸じんランダムアクションサンダー PEX260AE の取扱説明書でも、「けがの発生を防ぐため、電源プラグを電源コンセントから抜き、取り付け・取り外し作業をしてください。」と、メーカーを問わず同じ指示が置かれています。
やりがちなのは、スイッチを切っただけで済ませることです。スイッチのロック機能があっても、交換中に誤って押す可能性は残ります。抜いたプラグは作業台の上の目に入る位置に置き、差し込まれていないことが一目でわかるようにしておくと確実です。充電式の機種を使っている場合は、その機種の取扱説明書に交換時のバッテリーの扱いが書かれているので、そちらに従ってください。
先端をはさんでから反対側を引っ張って固定する
クランプ式は、片側を挟み、引っ張りながら反対側を挟む、という2段階で取り付けます。BO3700の取扱説明書では「ペーパクランプを押し、サンディングペーパの先端をベースとペーパクランプの間にはさみ込んで、ペーパクランプを離してください。」と案内され、続けて「サンディングペーパは、たるみのないよう十分張って反対側を固定してください。」とされています。
たるみを嫌うのは、仕上げサンダーがパッドを細かく動かしてペーパーごと材料にこすりつける仕組みだからです。ペーパーがパッドに密着していないと、パッドの動きとペーパーの動きがずれ、浮いた部分がこすれて破れたり、当たりが弱くなって削れムラが出たりしやすくなると考えられます。
コツは、先端を挟む前にペーパーをパッドの幅に合わせて真っすぐ当てておくことです。斜めに挟むと、反対側を引っ張っても片側だけがたるみます。取りはずしはペーパクランプを押してペーパーを抜くだけなので、交換の手間は付けるときの張り具合にほぼ集中しています。
穴あきペーパーはパッドの穴と合わせてからクランプする
吸じん機能のある機種では、ペーパーの穴とパッドの穴をそろえることが手順に含まれています。BO3700の取扱説明書では「穴あきのサンディングペーパ使用の時はパッドと穴の位置を合わせてクランプしてください。」と指示されています。
パッドの穴は、削った粉をダストバッグへ吸い込む通り道です。ペーパーの穴がずれていれば、通り道をペーパー自身がふさぐことになり、粉が材料の上に残ったり、ペーパーとパッドのすき間にたまったりしやすくなります。粉が残ると、その粉をさらにこすって表面が曇る原因にもなります。
穴のない市販ペーパーを使いたい場合、同書では別販売品のパンチプレートのガイドをパッド側面に合わせて穴をあける方法が案内されています。やりがちなのは、張ることに気を取られて穴がずれたまま固定してしまうことです。先端を挟む前に穴の位置を目で合わせ、反対側を張ったあとにもう一度ずれていないか確かめると、やり直しが減ります。
マジックファスナ式は貼る前の掃除と穴合わせで差が出る

接着剤付きのペーパーを貼ってはいけない理由
マジックファスナ式のパッドには、面ファスナー対応のペーパーだけを使います。BO3700の取扱説明書は「サンディングペーパは、必ずマジックファスナ式のものをお使いください。接着剤付サンディングペーパはご使用にならないでください。」と明記しています。
面ファスナーのパッドは、ペーパー裏の起毛にフックを引っかけて保持する仕組みです。粘着剤で貼るペーパーを押しつけると、フックの間に接着剤が入り込み、はがしたあとも残りやすくなります。そうなると次に貼る面ファスナーのペーパーが引っかからず、パッドごと交換が必要になるおそれがあります。
見た目が似ている丸いペーパーでも、裏面が起毛か粘着面かで方式が違います。購入時はパッケージの方式表示を確認し、裏面がつるりとした粘着タイプは選ばないようにしましょう。
貼る前にパッド面のほこりを払っておく
新しいペーパーを貼る前に、パッドの面を掃除します。BO3700の取扱説明書には「パッドのマジックファスナ面のゴミ・ほこり等を、よく払い落としてください。」とあります。
研磨の粉はとても細かく、面ファスナーのフックの間に入り込みます。フックが粉で埋まると引っかかる量が減り、作業中にペーパーがずれたり、端からめくれたりしやすくなると考えられます。古いペーパーをはがした直後は、パッド面に粉が付いていることが多い状態です。
はがすときは、ペーパーの端を引っ張ってパッドからはがします(同書)。そのあとブラシなどで面のほこりを払い、ペーパーの穴とパッドの穴が一致するように貼る。この順番を習慣にしておくと、ペーパーの保持が安定します。
ランダムアクションサンダーは吸じん穴を合わせて押しつける
円形パッドのランダムアクションサンダーも、考え方は同じです。PEX260AEの取扱説明書では、ラバーパッドのゴミを取り除いたうえで「ラバーパッド④の穴とサンディングペーパー⑤の吸じん用の穴が合うようにして、ラバーパッド④にサンディングペーパー⑤をしっかりと押しつけて装着します。」と説明されています。
円形は回して位置を合わせられるぶん、ずれに気づきにくいのが難点です。同書は「サンディングペーパー取り付けアダプターを使用すると、より正確に吸じん用の穴を合わせることができます。」とも案内しています。取りはずしはペーパーの端を持ち上げ、ラバーパッドから引きはがすだけで、工具は使いません。
すり減ったラバーパッドは早めに交換する
ペーパーだけでなく、ペーパーを受けるパッドも消耗品です。PEX260AEの取扱説明書は「摩耗したり、傷ついたラバーパッド④は、すぐに交換してください。」としています。同書の手順では、ペーパーを外し、トルクスレンチT20(市販品)で取り付けネジを緩めてパッドを外し、リングにグリースを薄く塗り、吸じん穴とネジ穴を本体に合わせて固定します。
パッドを傷める原因の1つが、ペーパーを付けないまま動かすことです。BO3700の取扱説明書では、ペーパーを取り付けないで使うとパッド損傷の原因になるとされています。パッド交換の部品はメーカーの純正品が指定されているので、型番を控えてから手配してください。
マジックファスナ式は、①面ファスナー対応のペーパーを使う、②貼る前にパッド面のほこりを払う、③穴を合わせて押しつける、の3点で保持力が決まります。ペーパーを付けずに動かさないことも、パッドを長持ちさせる条件です。
ペーパーは粒度・サイズ・方式の3点で選ぶ
粒度は#60から#240へ、粗い順に進める
粒度の番号は、小さいほど粗く、大きいほど細かくなります。BO3700の取扱説明書には「サンディングペーパは、使用目的に合わせ粒度を選んでご使用ください。」とあり、同書の表では60・80が粗仕上、120が中仕上、180・240が仕上と整理されています。標準付属が#60・#120・#240の3種類なのも、この3段階に沿った構成と読めます。
粗い番手から順に進めるのは、粗い砥粒で大きな凹凸や古い塗膜を落とし、そのとき付いた深い研磨傷を、次の細かい砥粒で浅い傷に置き換えていくためです。いきなり#240で古い塗装を落とそうとすると、砥粒が小さいぶん削れる量が少なく、ペーパーがすぐ詰まって交換回数ばかり増えます。逆に#60で仕上げまで済ませると、塗装したときに研磨傷が浮き出やすくなります。
交換のたびに番手を変える場合は、使いかけのペーパーの裏に番手を書いておくと取り違えを防げます。塗装の下地づくりでは仕上の番手まで進めておくと、塗料ののりが整いやすくなります。

サイズと穴位置は機種ごとに違う
ペーパーの大きさは、パッドの大きさで決まります。BO3700の取扱説明書では、クランプ式のペーパが93mm×228mm、マジックファスナ式が93×185とされています。ボッシュのPEX260AEはラバーパッドが125mmφで、ペーパーには吸じん穴があいています。
クランプ式のペーパーがパッドより長いのは、両端をクランプに挟み込む分が必要だからです。同じ機種でもクランプ式からマジックファスナ式に付け替えると、使えるペーパーの寸法が変わります。円形パッドは直径が同じでも、吸じん穴の数や配置がメーカーや機種で異なることがあり、穴が合わなければ吸じんの通り道がふさがります。
やりがちなのは、直径だけを見て丸いペーパーを買い、穴の位置が合わないことに貼ってから気づくケースです。購入前に、手元のパッドの穴の数と位置を確認し、取扱説明書の適合品の欄と照らし合わせてください。
| 種類・方式 | クランプ式(端を挟む)/マジックファスナ式(面ファスナーで貼る)。方式の異なるペーパーは使えない |
| 主な仕様(寸法の例) | マキタ BO3700:クランプ式 93mm×228mm、マジックファスナ式 93×185/ボッシュ PEX260AE:125mmφ・吸じん穴つき |
| 粒度と用途(BO3700 取扱説明書) | #60・#80=粗仕上/#120=中仕上/#180・#240=仕上 |
| 使い方のコツ・注意 | パッドの穴とペーパーの穴を合わせる。接着剤付ペーパーはマジックファスナ式に使わない。アクセサリーは純正品を指定するメーカーもある |
方式が違うペーパーは流用しない
実は、ペーパーは消耗品だから合えば何でもよい、と考えられがちですが、メーカーの取扱説明書は方式・穴位置・純正品まで具体的に指定しています。BO3700ではマジックファスナ式のパッドに面ファスナー対応のペーパーだけを使うよう求め、PEX260AEの取扱説明書ではアクセサリーにボッシュ純正品を使うよう案内しています。
理由は、ペーパーとパッドを一組の部品として設計しているからです。クランプ式のペーパーを切ってマジックファスナ式のパッドに当てても保持されませんし、穴の位置がずれたペーパーは吸じん性能を落とします。合わないペーパーでの作業は、ペーパーが外れて飛ぶ、粉が舞う、パッドが傷むといった別の不具合を呼びます。
適合品を選ぶときは、手元の機種の取扱説明書にある別販売品の一覧を基準にしてください。研磨で下地を整えたあと塗装に進む人は、塗る工程の理屈もあわせて押さえておくと仕上がりがそろいます。

ペーパーが外れる・破れる・粉が舞うときに見直す3つの原因
クランプからペーパーが抜けるのは張りと差し込みの不足
作業中にクランプ式のペーパーが抜けてくるときは、張り方と差し込み方を疑います。取扱説明書の手順は、先端をベースとペーパクランプの間に挟み込み、たるみのないよう十分張って反対側を固定する、というものです。どちらかが甘いと、パッドの往復運動でペーパーが少しずつ引き出されていきます。
よくあるのは、差し込みが浅く、クランプの先にペーパーがわずかしか掛かっていない状態です。また、片側だけを強く張って斜めに固定すると、たるんだ側から浮いてきます。浮いた部分は材料に強くこすれて破れやすく、破れたペーパーはさらに抜けやすくなるという悪循環に入ります。
対策は、プラグを抜いてから一度ペーパーを外し、先端を奥まで差し込み直すことです。張るときはペーパーをパッドの幅に合わせ、真っすぐ引きながら反対側を固定します。ペーパーの端が伸びたり裂けたりしていれば、張り直しよりも新しいペーパーへの交換を選びましょう。
原因:クランプ式は差し込みが浅い・斜めに張っている。マジックファスナ式はパッド面に粉が詰まっている、接着剤付ペーパーを貼った、パッドが摩耗している。どちらも穴がずれていると吸じんの通り道がふさがる。
対策:プラグを抜き、ペーパーを外してパッドを点検する。穴を合わせて張り直す(貼り直す)。パッドの摩耗や傷はメーカーの取扱説明書に従って交換する。
マジック式がすぐ剥がれるのはパッド面の汚れと摩耗
マジックファスナ式で端からペーパーがめくれてくる場合、原因の多くはパッドの側にあります。取扱説明書が貼る前にマジックファスナ面のゴミ・ほこりを払い落とすよう求めているのは、粉でフックが埋まると保持力が落ちるためと考えられます。
貼り替えのたびに掃除していても、長く使えばフック自体がすり減ります。PEX260AEの取扱説明書が摩耗したり傷ついたりしたラバーパッドをすぐに交換するよう求めているのは、保持が弱いまま回すとペーパーがずれ、作業面を傷つけたりパッドの損傷を進めたりするからです。過去に接着剤付ペーパーを貼ったことがあるパッドも、残った接着剤でフックが固まっていることがあります。
見分け方としては、新しいペーパーを貼っても軽く引くだけで外れるなら、パッドの交換時期と考えてよいでしょう。パッド交換は機種ごとに部品と手順が違うため、型番を確認して取扱説明書の手順に沿って進めてください。
粉が舞う・削れないと感じたら穴ずれと交換時期を疑う
吸じん機能があるのに粉が舞う場合は、まず穴の位置を確認します。マキタ、ボッシュとも、パッドの穴とペーパーの穴を合わせるよう指示しているのは、穴が吸じんの通り道だからです。少しずれただけでも通り道が狭くなり、粉が材料の上に残ります。
穴が合っているのに削れ方が落ちてきたら、ペーパーの交換時期です。ペーパーは砥粒で削る道具なので、砥粒がすり減ったり、削った粉や塗膜で表面が埋まったりすると、押し当てても表面をなでるだけになります。そこで押しつける力を強めると、パッドに負担がかかり、熱で塗膜が溶けてさらに詰まりやすくなります。交換時期は時間や枚数で決めるより、削れ方の変化で判断するほうが理屈に合っています。
ディスクグラインダの砥石交換はロックナットの向きが要
取り付けはスーパーフランジ、砥石、ロックナットの順
ディスクグラインダの砥石交換も、スイッチを切り、プラグを電源から抜くところから始めます。9015B/9016Bの取扱説明書は「取リ付け・取りはずしの際は、必ずスイッチを切りプラグを電源から抜いてください。」と指示しています。
取り付けの順番は、スピンドルにスーパーフランジを付け、その上に研削砥石をのせ、ロックナットで締めるという流れです。取りはずしは、この逆の要領で行います。フランジとナットで砥石を両側から挟み込み、回転の力を砥石に伝える構造なので、どれか1つでも欠けたり順番が入れ替わったりすると、砥石を正しく保持できません。
交換前には、新しい砥石にヒビや欠けがないかを見ます。同書は「砥石にヒビ、割れなどの異常がないことを確認してから使用してください。」としています。また、オフセット砥石は使用周速度4,300m/min以上の正規品を使うこと、ホイールカバーを必ず取り付けて使うことも求められています。
ロックナットの凸部を砥石側に向ける
砥石交換でいちばん間違えやすいのが、ロックナットの向きです。9015B/9016Bの取扱説明書は「ロックナットの凸部を砥石側にして、スピンドルにねじ込んでください。」と向きを指定しています。
ロックナットは片面に段のある形をしていて、向きを指定しているのは、その段が砥石を正しい位置で押さえるための形だからと考えられます。逆向きに付けると、ナットが砥石を本来の形で押さえられず、締めたつもりでも保持が不安定になるおそれがあります。外したときの向きを覚えていない場合は、取扱説明書の図で確認してから付けてください。
ナットの向きと試運転の理由をさらに詳しく知りたい方は、グラインダーの刃の交換を扱った記事もあわせてどうぞ。

シャフトロックは回転が止まってから押す
ロックナットを締める・緩めるときは、シャフトロックを押し込んで軸の回転を止めます。同書には「シャフトロックを押さえながら、ロックナットをロックナットレンチでしっかりと締め付けてください。」とあります。
一方で、「回転させたままシャフトロックを押さえないでください。」とも書かれ、故障の原因になるとされています。シャフトロックは付属品を着脱するときの回り止めで、回転を止めるブレーキではありません。作業直後に砥石を早く替えたくて、惰性で回っている途中に押してしまう失敗が起きやすいので、プラグを抜き、回転が完全に止まったのを確かめてから押してください。
原因:外したときのナットの向きを覚えていない。作業を急いで、砥石が惰性で回っているうちにシャフトロックを押してしまう。
対策:取扱説明書の指示どおり凸部を砥石側に向けてねじ込む。シャフトロックはプラグを抜き、回転が止まってから押す。新しい砥石で初めてスイッチを入れるときは、回転面から身体を避ける。
サンディングディスクを付けるときの順番
ディスクグラインダで研磨用のサンディングディスクを使う場合、取り付ける部品が砥石とは変わります。9015B/9016Bの取扱説明書では、スピンドルにラバーパッド、サンディングディスク、ロックナットの順に取り付ける手順が示されています。砥石用のスーパーフランジの代わりにラバーパッドが受け台になる、と考えると覚えやすいでしょう。
また、労働安全衛生規則第120条では、側面を使用することを目的とする研削といし以外は側面を使用してはならないとされています。砥石の面で削るつもりで側面を当てない、という前提も交換時に確認しておきたい点です。
サンダー刃交換のあとに確かめる試運転と、立場別の注意点
砥石交換後は3分間以上、作業始めは1分間以上回す
砥石を交換したら、すぐに材料へ当てず、まず試運転をします。9015B/9016Bの取扱説明書では、試運転時間を砥石交換のとき3分間以上、その日の作業始めのとき1分間以上としています。あわせて「新しい砥石を取り付け、はじめてスイッチを入れるときは、回転面から一時身体を避けてください。」と案内されています。
試運転の目的は、取り付けの不具合や砥石の異常を、材料に当てる前に見つけることです。ナットの締め付け不足や、見落としたヒビがあれば、回転させた段階で振れや異音として表れやすくなります。回転面の延長線上に身体を置かないのは、万一砥石が割れたときに破片が飛ぶ方向だからです。
やりがちなのは、交換後すぐに材料へ当てて作業を再開することです。3分という時間は長く感じますが、異常に気づくための時間と考えて、ホイールカバーが付いていることを確かめたうえで回してください。振れや異音があれば、すぐにスイッチを切り、プラグを抜いてから取り付けを見直します。
法律では事業者の義務、家庭のDIYでも同じ時間が目安になる
試運転の時間は、法律にも同じ数字で定められています。労働安全衛生規則第118条は「事業者は、研削といしについては、その日の作業を開始する前には一分間以上、研削といしを取り替えたときには三分間以上試運転をしなければならない。」と規定しています。
さらに、同規則第36条第1号では研削といしの取替え又は取替え時の試運転の業務が特別教育の対象とされ、厚生労働省の資料でも「研削砥石の取り替え、または取り替え時の試運転の業務には、特別教育が必要です。」と案内されています。
この規則の名宛人は事業者で、家庭のDIYに直接適用される規定ではありません。ただ、メーカーの取扱説明書が同じ試運転時間を求めていることから、家庭で使う場合も同じ時間を守る理由は十分にあります。職場で砥石を交換する立場の人は、特別教育が必要になる点を職場の担当者に確認してください。
読者タイプ別:自分に必要な交換の知識はどれか
初めて仕上げサンダーを買った人は、まずクランプ式かマジックファスナ式かを底面で確かめ、付属のペーパーで張り方と穴合わせの練習をするのが近道です。付属の#60・#120・#240を順に使えば、粒度の違いも手で理解できます。
譲り受けた工具や中古の工具を使う人は、型番からメーカー公式の取扱説明書を確認し、パッドが付け替えられていないか、摩耗していないかを点検してから使い始めてください。ランダムアクションサンダーを使っている人は、ペーパーより先にラバーパッドの状態がペーパーの保持を左右します。
ディスクグラインダにサンディングディスクを付けたい人は、ラバーパッド、ディスク、ロックナットの順番と、交換後の試運転を手順に組み込んでおきましょう。どの立場でも、プラグを抜いてから触るという1番目の手順は共通です。
砥石交換後の試運転は3分間以上、その日の作業始めは1分間以上。メーカーの取扱説明書と労働安全衛生規則第118条で同じ時間が示されています。初めてスイッチを入れるときは、回転面から身体を避けて回します。
まとめ
交換の手順はどれも短い作業ですが、一つひとつに、ペーパーを密着させる、吸じんの通り道を確保する、回転部品を確実に保持するという理由があります。まずは手元の工具を裏返して底面の方式を確かめ、取扱説明書の交換のページを開いて、付属のペーパーで一度張り替えてみるところから始めてください。
※手順・適合品は機種ごとに異なります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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