HiKOKIのマルチボルトバッテリーを工具に差したら動かない。残量表示スイッチを押すと、4つ並んだ緑のランプのうち左端と右端の2個だけがチカチカしている。ネットで調べると「リセット方法」という言葉が出てきて、何か操作をすれば元に戻るのではと期待してしまいますよね。
先に結論をお伝えすると、HiKOKIの取扱説明書では、両端2個の点滅は「故障のため出力停止」の表示とされていて、対処は「お買い求めの販売店に相談」と案内されています。自分で戻せる手順は、メーカーの公開資料には書かれていません。一方で、4個すべての点滅(高温で止まっている)や左端1個の点滅(残量0%)は、冷ます・充電するで戻る別の表示です。まずは点滅のパターンを正しく読み分けることが、いちばん確実な「リセット方法」の入口になります。
この記事では、HiKOKI公式の取扱説明書(BSL36A18X・BSL36A18BXほか)と急速充電器の取扱説明書をもとに、点滅パターンの意味、出力が止まる理屈、自分で確かめてよい範囲と販売店へ相談する境目、両端点滅を招きにくい保管と扱い方を順に整理します。
・両端点滅・全点滅・左端点滅、3つの点滅パターンの意味
・公式が案内している対処と、自分で確かめてよい範囲
・充電器側の紫の速い点滅・赤点滅との違い
・販売店に相談するときの準備と、点滅を招きにくい保管のコツ
hikoki バッテリー 両端点滅は「故障のため出力停止」の合図

取扱説明書の表で、両端2個の点滅が意味すること
両端2個の点滅は、HiKOKIの取扱説明書では「故障のため出力停止」に当たります。気温や残量の問題ではなく、蓄電池そのものの不具合を知らせる表示という位置づけです。
根拠は、マルチボルト蓄電池BSL36A18Xの取扱説明書にある「電池残量表示について」の表です。点灯4個が75%以上、3個が50%〜75%、2個が25%〜50%、1個が25%未満。その下に点滅の段が3つあり、左端1個の点滅が0%、4個すべての点滅が「高温のため出力停止」、左端と右端の2個の点滅が「故障のため出力停止」と図示されています。故障の欄には注記があり、蓄電池の故障と考えられるので、お買い求めの販売店に相談するよう書かれています。
やりがちなのは、点滅していること自体を「残量がない」と受け取って、何度も充電器に載せ直すことです。点滅の位置を見ないまま充電を繰り返しても、故障表示の意味は変わりません。
確認のコツは、スイッチを押した直後のランプを、左から順に指でさして数えることです。点滅の速さではなく「どの位置が光っているか」で読み分けるのが、取扱説明書の表の読み方です。
全点滅・左端点滅と見分ける3つのパターン
同じ「点滅」でも、HiKOKIの表では3種類あり、意味も対処もまったく別物です。両端点滅だけが販売店への相談を求める表示で、残りの2つは使い手側で戻せる状態です。
4個すべての点滅は高温による停止で、取扱説明書の注記では、蓄電池を工具本体から取りはずして十分に冷ますよう案内されています。左端1個だけの点滅は残量0%で、充電すれば済む表示です。つまり「リセット方法」として期待される操作が当てはまるのは、全点滅と左端点滅の2つになります。
やりがちな失敗は、夏場に連続で使って全点滅になったのを「両端点滅=故障」と思い込むことです。端の2個が光っているように見えても、真ん中の2個も同時に点滅していれば高温側の表示です。
見分けるときは、明るい屋外より手元を陰にしたほうがランプの点滅を数えやすくなります。スマートフォンで数秒動画を撮っておけば、販売店に相談するときの説明にもそのまま使えます。
| 項目 | 左端1個が点滅 | 4個すべて点滅 | 両端2個が点滅 |
|---|---|---|---|
| 取扱説明書の表示 | 電池残量0% | 高温のため出力停止 | 故障のため出力停止 |
| 公式の対処 | 充電する | 工具本体から取りはずし、十分に冷ます | お買い求めの販売店に相談 |
| 自分で戻せるか | 戻せる | 冷めれば戻る | 公式の手順なし |
| 掲載を確認した取説 | BSL36A18X・BSL36A18BX・旧モデルBSL36A18(いずれも同じ3段の点滅表) | ||
充電器側の残量表示は別の物差しと考える
バッテリー本体のランプと、充電器のランプ・工具側の残量表示は、同じ表示ルールではありません。両端点滅かどうかは、あくまで蓄電池本体のスイッチパネルで判断します。
BSL36A18Xの取扱説明書には、残量表示機能のある製品側、および充電器側の残量表示と異なる場合がある、という注記があります。たとえば急速充電器UC18YDMLの取扱説明書では、充電ランプは赤・青・緑・紫の色と点滅の速さで状態を示し、充電容量ランプは20%未満から満充電完了までを段階表示します。物差しが違うので、ランプの数をそのまま比べても意味が合いません。
やりがちなのは、充電器で満充電の表示が出たのに、工具に付けると動かないことから「バッテリーは正常で工具が壊れた」と決めつけることです。その場合こそ、蓄電池本体のスイッチを押して、両端点滅が出ていないかを確かめる価値があります。
読み分けのコツは、点滅を見たら「どの機器のランプか」を先に言葉にすることです。本体・充電器・工具のどれの表示かで、参照する取扱説明書も変わります。
なぜバッテリーは自分で出力を止めるのか
出力停止は「壊れた」より「止めた」という表示
両端点滅や全点滅は、蓄電池が自ら電気を送るのをやめている状態です。故障で動かないのと、安全のために止めているのとでは、受け取り方が変わります。
HiKOKIの表の文言は、どちらも「〜のため出力停止」です。高温のときは温度が下がるまで、故障と判断したときは販売店で点検するまで、工具に電気を送らない設計だと読み取れます。マルチボルト蓄電池は工具本体によって36Vと18Vを自動で切り替えるほど、内部で状態を見て制御している製品なので、異常を検知したら止まる側に倒すのは自然な考え方です。
やりがちな誤解は、「止まっているだけなら、何とかして動かせばいい」と考えることです。止める判断をしたのは蓄電池自身なので、外から無理に通電させる発想は、取扱説明書の想定から外れます。
受け止め方のコツは、両端点滅を「使ってはいけない理由がある」というメッセージとして扱うことです。理由の中身は外から見えないので、判断は点検できる側に任せます。
マルチボルト=HiKOKIの蓄電池の方式名。BSL36A18Xの取扱説明書では、電池電圧が36V / 18V(工具本体により自動切替)、容量が2.5Ah / 5.0Ah(同)と記載されています。
実用充電=充電器の取扱説明書で、満充電の約80%まで充電された状態を指す言葉です。
出力停止=蓄電池が工具へ電気を送るのをやめている状態。残量表示の点滅で理由を区別します。
高温停止が「冷ませば戻る」理由
高温による停止は、原因が温度なので、温度が下がれば止める理由がなくなります。だから全点滅は、待つことで戻る表示になっています。
取扱説明書の注記では、蓄電池を工具本体から取りはずし、十分に冷ますよう案内されています。充電器側でも同じ考え方で、UC18YDMLの取扱説明書では、充電ランプの赤点滅(0.3秒点灯/0.3秒消灯)を高温待機とし、蓄電池の温度が下がると自動的に充電を開始すると書かれています。温度という分かりやすい条件で止まっているからこそ、使い手側で解除できるわけです。
やりがちな失敗は、工具に付けたまま作業台に置いて冷めるのを待つことです。取扱説明書は「取りはずして」と書いているので、本体から外して風が当たる場所に置くのが筋です。
注意したいのは、急いで冷やそうとして冷蔵庫や水に頼ることです。取扱説明書の警告には、雨や水にぬらさないこと、温度が急変する場所に保管しないことが挙げられています。日陰で自然に冷ますのが、案内に沿った待ち方です。
故障停止は理由が中にあるから外から解除できない
両端点滅は、高温のように「待てば消える」条件ではなく、蓄電池の中で何かが正常でないと判断された結果です。そのため、公式資料には使い手が解除する手順が載っていません。
取扱説明書の注記は「蓄電池の故障と考えられます」と書き、販売店への相談だけを示しています。原因が内部にある以上、温度のように外から確かめられる条件がありません。分解して調べることは、同じ取扱説明書の警告で禁止されています(分解・改造しないでください、有害物質が出る恐れがある、と旧モデルBSL36A18の取扱説明書に記載)。
やりがちなのは、何日か放置すれば自然に直るかもしれないと期待して、そのまま工具箱にしまってしまうことです。放置しても故障表示の理由が分かるわけではなく、次に使おうとしたときに同じ点滅を見るだけになりがちです。
実は、両端点滅で困ったときに取扱説明書を開くと、「何をすればいいか」より先に「何をしてはいけないか」がたくさん書かれていることに気づきます。対処の手順が少ないのは不親切なのではなく、使い手が触れてよい範囲を絞っているから、と読むと腑に落ちます。
hikoki バッテリー 両端点滅のリセット方法として公式が示す答え

公式の答えは「お買い求めの販売店に相談」
メーカーの公開資料で確認できる両端点滅への対処は、販売店への相談だけです。いわゆる「リセット操作」は、取扱説明書・製品ページ・アプリの紹介ページのどれにも見当たりませんでした(2026年10月時点で工具・DIYの教科書が確認)。
BSL36A18X、Bluetooth搭載のBSL36A18BXの取扱説明書、旧モデルBSL36A18の取扱説明書のいずれも、故障のため出力停止の注記は同じ内容です。さらに取扱説明書の「お問い合わせ」欄には、正常に作動しなくなった場合は、決してご自身で修理をなさらないでお買い求めの販売店に相談するよう書かれています。
やりがちなのは、「リセット方法」で見つけた手順を、型番も確かめずに試すことです。点滅の意味が違えば、手順も当てはまりません。
動き出す前のコツは、まず点滅パターンを確定させ、全点滅か左端点滅なら次の手順で戻し、両端点滅なら相談の準備に切り替えることです。修理受付や保証の扱いは、HiKOKI公式サイトの案内と保証書に従ってください。
冷ます・充電するが効くのは、全点滅と左端点滅だけ
「リセットできた」という話の多くは、実は高温停止や残量0%からの回復と考えると筋が通ります。両端点滅に同じ操作をしても、取扱説明書上は戻る根拠がありません。
全点滅は冷ませば、左端点滅は充電すれば、表の意味どおり使える状態に戻ります。ところが両端点滅は、表の段そのものが「故障のため」と書かれています。冷却も充電も、高温・残量という停止理由を取り除く操作なので、理由が別の場所にある両端点滅には効く理由がありません。
やりがちな失敗は、全点滅だったものが冷めて直ったのを見て、「点滅は待てば直る」と覚えてしまうことです。次に両端点滅が出たときに、同じように待って使い続けてしまいます。
コツは、回復したときに「何個が点滅していたか」をメモしておくことです。同じ蓄電池で全点滅が何度も出るなら、使い方(連続作業や置き場所の温度)を見直すきっかけにもなります。
アプリの「内部プログラム更新」で戻ったという報告の扱い方
Bluetooth搭載の蓄電池では、スマートフォンアプリを使って両端点滅が消えたという報告が、一部の工具系メディアに載っています。ただ、メーカーの公開資料ではその手順を確認できなかったため、当サイトでは「公式の解除方法」としては扱いません。
アプリHiKOKI TOOLSの提供元はKoki Holdings Co., Ltd.で、App Storeの説明文に書かれている蓄電池まわりの機能は、リスト管理と、モデル名・登録日・電池残量の確認です。公式の対応製品ページに載っている蓄電池は、BSL3640MVBT、BSL36A18BX、BSL36B18BX、BSL36A18B、BSL36B18BのBluetooth搭載モデルだけです。BSL36A18XのようなBluetoothなしのモデルは、そもそもアプリとつながりません。
やりがちなのは、Bluetoothのない蓄電池でアプリを入れて、つながらないことに時間を使ってしまうことです。型番の末尾や「Bluetooth機能 あり」の表示を先に確かめましょう。
注意点として、アプリで何かが表示されたとしても、取扱説明書の「故障と考えられます」という注記が消えるわけではありません。気になる場合も、販売店への相談とあわせて確認するのが安全側の選び方です。
ネットの裏技や分解を試さないほうがいい理由
端子に別の電源をつなぐ、ケースを開けて中を確かめる、といった「裏技」は、取扱説明書の警告に正面からぶつかります。家でのDIYで試す価値はありません。
旧モデルBSL36A18の取扱説明書の警告には、分解・改造しないこと、端子部に変形が生じたら使用しないこと、釘をさす・ハンマーでたたく・高い位置から落とすなど強い衝撃を与えないこと、異臭・発熱・変色・変形などに気が付いたら直ちに使用を中止して販売店に相談することが並んでいます。リチウムイオン電池は、扱いを誤ると発熱・発煙・発火につながる部品だと、メーカー自身が繰り返し書いているわけです。
やりがちなのは、動画で見た手順なら大丈夫だろうと考えることです。動画の蓄電池と手元の蓄電池が同じ型番・同じ状態とは限らず、両端点滅の原因も外からは分かりません。
判断のコツは、「メーカーが書いていない操作は、メーカーが責任を持てない操作」と線を引くことです。迷ったら何もしないで販売店へ、が取扱説明書に沿った最短ルートです。
相談の前に、家で確かめてよい3つのこと
本当に両端か、点滅の位置を落ち着いて数え直す
最初に確かめたいのは、見間違いがないかです。両端点滅と全点滅を取り違えると、冷ませば済むものを故障と判断したり、その逆をしたりします。
BSL36A18Xの表では、4個すべての点滅と、左端・右端2個の点滅が隣り合う段に並んでいます。どちらも「出力停止」の表示なので、工具が動かないという症状は同じです。違いはランプの位置だけなので、数え直す価値があります。旧モデルBSL36A18の取扱説明書には、残量表示スイッチを押してから約3秒後にランプは消灯すると書かれているので、一度で数えきれなければ押し直して確かめます。
やりがちなのは、作業直後の熱い状態で一度だけ見て判断することです。作業直後は全点滅が出やすい状況なので、取りはずして冷ましたあとに、もう一度スイッチを押して確かめるのが確実です。
コツは、冷ましたあとでも両端2個だけが点滅するかを見ることです。冷めても両端点滅が続くなら、高温ではなく故障側の表示と判断しやすくなります。
端子部の切りくず・ほこりを目で確かめる
次に、蓄電池と工具の端子部を見ます。切りくずやほこりは、HiKOKIの取扱説明書が作業前・作業後・作業中に点検するよう繰り返し書いている箇所です。
BSL36A18Xの取扱説明書の「端子部の点検」では、端子部に切りくず、ほこりがたまっていないか、作業前、作業後のほかに作業中でも時々点検するよう案内しています。充電器のUC18YDMLの取扱説明書でも、紫の速い点滅(0.1秒点灯/0.1秒消灯)の充電不可について、端子部に異物が付着、または蓄電池の故障と書かれています。異物は、故障と並んで最初に疑う対象です。
やりがちな失敗は、木くずが詰まった端子を濡れた布で拭いたり、金属のピンでかき出したりすることです。取扱説明書の警告では、端子部に導電性のある異物が入ると短絡して発熱・発煙・発火する恐れがあるとしています。
確かめるのは目視まで、と決めておくのが安全です。乾いた状態で軽く払って取れない汚れや、端子の曲がり・変形が見えたら、その時点で販売店に相談する理由になります。
状況:脚立の上から蓄電池を落とし、直後に両端点滅。しばらくして点滅が見えなくなったので、そのまま作業を再開した。
原因:残量表示は数秒で消灯するので、「消えた=直った」ではありません。取扱説明書は、落とすなどして端子部に変形が生じた場合や、外傷・変形の著しい蓄電池は使用しないよう警告しています。
対策:落としたあとはスイッチを押して表示を確かめ、両端点滅や外観の傷・変形があれば使用をやめて販売店に相談します。
落下・水濡れ・異臭がなかったかを思い出す
最後に、点滅が出る前に何があったかを振り返ります。原因の見当がつくと、販売店での説明がスムーズになり、自分で触ってはいけない状態かどうかも判断できます。
取扱説明書の警告には、強い衝撃を与えないこと、雨や水にぬらさないこと、異臭・発熱・変色・変形に気付いたら直ちに使用を中止することが書かれています。これらに心当たりがあるなら、両端点滅の有無にかかわらず、使わずに相談する対象です。
やりがちなのは、心当たりを話すと保証が使えなくなるのではと考えて、状況を伏せることです。点検する側は状況が分からないと判断しにくく、結果として時間がかかります。保証の扱いは保証書の記載で決まるので、事実をそのまま伝えるほうが近道です。
コツは、点滅に気づいた日付、直前の作業内容(使っていた工具、連続でどのくらい使ったか)、落下や雨の有無をメモしておくことです。Step1で撮った点滅の動画とあわせれば、説明の材料がそろいます。
充電器のランプが点滅したときの読み方
赤の点滅は「高温待機」か「さし込み前」か
充電器の赤い点滅は、2つの意味があり、点滅の速さで区別します。どちらも故障の表示ではありません。
UC18YDMLの取扱説明書では、赤点滅の2秒点灯/0.5秒消灯は蓄電池さし込み前(電源にさし込んだ状態)、0.3秒点灯/0.3秒消灯は高温待機です。高温待機は、蓄電池の温度が下がると自動的に充電を開始すると書かれています。同じ取扱説明書には、高温待機状態の蓄電池は後から充電されるという注記もあります。
やりがちな失敗は、作業直後の熱い蓄電池を充電器に載せて、赤く点滅したのを見て「充電できない、壊れた」と判断することです。前のモデルのUC18YDL2の取扱説明書の故障診断でも、この状況の原因は蓄電池が高温になっていることとされ、風通しのよい日影などで冷ましてから充電することを勧めています。
コツは、点滅のテンポを2秒ほど数えて見ることです。ゆっくり長く光るなら差し込み待ち、小刻みなら熱が下がるのを待つ、と覚えておけば迷いません。
紫の速い点滅は異物か故障の合図
充電器の紫の速い点滅は、充電そのものができない状態です。本体の両端点滅と並んで、注意して読みたい表示です。
UC18YDMLの取扱説明書では、紫の速い点滅(0.1秒点灯/0.1秒消灯)を充電不可とし、原因を端子部に異物が付着、または蓄電池の故障としています。UC18YDL2の故障診断では、紫の速い点滅を繰り返して充電を開始しないときの原因として、端子部の異物と、蓄電池が突き当たるまでさし込まれていないことを挙げ、異物を取り除く、しっかりさし込むよう案内しています。
やりがちなのは、紫の点滅を見て充電器の故障だと思い込み、充電器だけを買い替えることです。取扱説明書が「蓄電池の故障」も原因に挙げている以上、蓄電池側の表示を確かめずに買い替えても解決しないことがあります。
コツは、差し込み直しと端子の目視をしても紫の速い点滅が続く場合、蓄電池本体のスイッチを押して両端点滅が出ていないかを確かめることです。両方の表示がそろえば、相談するときの説明もはっきりします。
| 赤点滅(2秒点灯/0.5秒消灯) | 蓄電池さし込み前(電源にさし込んだ状態) |
| 赤点滅(0.3秒点灯/0.3秒消灯) | 高温待機。蓄電池の温度が下がると自動的に充電を開始 |
| 紫の速い点滅(0.1秒点灯/0.1秒消灯) | 充電不可(端子部に異物が付着、または蓄電池の故障) |
| 緑点灯 | 満充電完了。満充電完了後、約10秒後に充電容量ランプは消灯 |
使用時間が短い・充電に時間がかかるときの見方
点滅は出ていないのに、すぐ切れる、充電が終わらない。この2つは、取扱説明書では両端点滅とは別の原因として整理されています。
UC18YDL2の故障診断では、満充電をしても使用時間が短い場合の原因を蓄電池の寿命が尽きたこととし、新品と交換するよう案内しています。充電時間が長い場合は、蓄電池や充電器の温度、周囲気温が極端に低いことが原因として挙がり、室内など暖かい場所で充電するよう書かれています。BSL36A18Xの取扱説明書でも、充電と使用を繰り返しても使用時間が極端に短い場合は寿命と判断するよう書かれています。
やりがちなのは、冬の屋外や冷えた車庫で充電して時間がかかったのを、故障の前触れだと心配することです。温度条件を変えて充電し直せば、原因を切り分けられます。
注意点として、充電器にも休ませる時間が要ります。UC18YDL2の取扱説明書には、一度充電が完了した後、次の充電まで5分程度休ませるよう書かれていて、同じ充電器を連続で使うと発熱し故障の原因になるとしています。
販売店に相談するときに準備しておくこと
充電器と蓄電池を「組」で持っていく
相談に行くときは、点滅した蓄電池だけでなく、使っている充電器もいっしょに持っていくのが取扱説明書の案内です。
UC18YDL2の取扱説明書の故障診断には、故障診断で対応できない場合は販売店に相談し、蓄電池が原因の場合もあるので充電器と蓄電池を組で持参するよう書かれています。両端点滅は蓄電池側の表示ですが、充電の段階で何が起きていたかを確かめるには、組み合わせて見られるほうが判断しやすいわけです。
やりがちなのは、蓄電池だけを持っていき、「充電器は大丈夫だと思う」と口頭で済ませることです。結果として再訪問が必要になることがあります。
あわせて、蓄電池の型番(BSL36A18Xなど)、購入時期が分かる書類、Step1で撮った点滅の動画をそろえておくと、話が早く進みます。工具本体側の不具合が疑われる場合は、工具も持参できるとなおよいでしょう。

保証の扱いは保証書の記載で確かめる
保証で直るかどうかは、当サイトで判断できることではありません。HiKOKIの公式ページと、製品に同梱の保証書の記載が基準です。
HiKOKIの2年保証のページには、保証期間中に取扱説明書に従った正常なご使用状態で故障した場合に、保証書記載内容に基づき保証すると書かれていて、詳しくは製品に同梱の保証書を確認するよう案内されています。一部、2年保証の対象外の製品があるとも書かれています。
やりがちなのは、保証書や購入時の書類をどこにしまったか分からず、相談の段階で手が止まることです。蓄電池は工具とセットで買うことも多いので、セット品の箱や書類に入っている場合もあります。
注意点として、修理受付の方法や費用は、販売店とHiKOKIの案内に従ってください。当サイトでは受付の代行や判断はしていません。
状況:両端点滅した蓄電池の代わりに、価格の安い互換品や、内部の電池を入れ替えたリサイクル修理品を選んだ。
原因:HiKOKIは公式の重要なお知らせで、模倣品や内蔵部品を交換した改造蓄電池を使用・充電すると、工具本体や充電器の安全性等を損なう恐れがあり、けがや故障、発煙、発熱、破裂、発火などの原因になるとしています。
対策:HiKOKIのコードレス工具と充電器には、HiKOKIブランド純正の蓄電池を使うよう公式が案内しています。代わりを用意するときも純正品から選びます。
リサイクル修理品・互換品を避けたい理由
両端点滅を機に代わりの蓄電池を探すとき、純正品以外の選択肢がいくつも目に入ります。ここで純正を選ぶ理由は、メーカーがはっきり書いています。
HiKOKIコードレス工具用蓄電池に関する重要なお知らせ(2017年9月)では、純正によく似た模倣品や、蓄電池のリサイクル修理サービスが流通していることを確認したうえで、模倣品や改造蓄電池(充電池などの内蔵部品を交換するリサイクル修理を含む)の使用に起因する事故・故障については一切の責任を負いかねるとしています。
やりがちなのは、「中の電池を新しくしたのだから、むしろ性能が上がる」と考えることです。メーカーが想定していない組み合わせでは、取扱説明書の保護の仕組みが前提どおりに働くかを、使い手が確かめる方法がありません。
確かめるコツは、HiKOKIの製品ページで型番を検索し、現行品として掲載されているかを見ることです。2026年10月時点の蓄電池・充電器のページには、BSL36A18X、BSL36A18BX、BSL36B18X、BSL36B18BXなどが掲載されています。
両端点滅を招きにくい扱い方と保管のコツ
温度50℃未満、夏の車内に置かない
蓄電池をいたわる基本は温度です。HiKOKIの取扱説明書は、保管場所の温度に具体的な線を引いています。
BSL36A18Xの取扱説明書では、温度が50℃未満で乾燥した安全な場所に保管するよう書かれ、避ける場所として、軒先など雨がかかる場所や湿気のある場所、温度が急変する場所、直射日光の当たる場所が挙がっています。旧モデルBSL36A18の取扱説明書では、温度が50℃以上に上がる可能性のある場所の例として、金属の箱や夏の車内が具体的に書かれています。
やりがちなのは、DIYの材料を買いに行くついでに、工具箱ごと車に積みっぱなしにすることです。夏の車内は、取扱説明書が名指しで避けるよう書いている場所です。
コツは、使い終わった蓄電池の定位置を、室内の日の当たらない棚に決めてしまうことです。置き場所が決まっていれば、車に置き忘れることも減ります。
半分くらい充電して保管し、3か月放置しない
長く使わないときは、満充電でも空っぽでもなく、半分程度で保管するのがHiKOKIの案内です。
BSL36A18Xの取扱説明書には、リチウムイオン電池を保管するときは半分程度の容量で保管するよう書かれています。さらに、残量が少ない状態で長期間(3か月以上)保管すると蓄電池が劣化し、使用時間が著しく短くなる、または充電できなくなる恐れがあると注記しています。残量表示でいえば、点灯2個(25%〜50%)から3個(50%〜75%)あたりが目安になります。
やりがちな失敗は、年末の大掃除で使い切った蓄電池を、そのまま春まで物置にしまうことです。季節に一度しか工具を出さない使い方ほど、この状態に陥りやすくなります。
コツは、季節の変わり目に残量表示スイッチを押す習慣をつけることです。点灯1個以下なら少し充電しておく、と決めておけば、3か月放置を防げます。

落とさない置き方と、作業スタイル別の使い分け
蓄電池にとっての大敵は衝撃です。作業のやり方によって、気をつける場面が少しずつ違います。
取扱説明書の警告には、高い位置から落とすなど強い衝撃を与えないこと、工具本体に確実に取付けること(抜け落ちてけがの原因になる)が書かれています。保管時は、短絡を防ぐため、蓄電池を工具本体にさし込むか電池カバーを取付けるよう案内されています。
脚立で棚を取り付ける人:工具の抜け落ちに注意。取付けたら「カチッ」と奥まで入ったかを確かめてから上がる
丸ノコやグラインダーで長く切る人:連続作業のあとは全点滅(高温停止)が出やすい状況。取りはずして冷ましてから充電する
季節に一度しか使わない人:半分程度の容量で室内保管し、季節の変わり目に残量を確かめる
屋外で作業する人:雨や直射日光を避け、端子部の切りくずを作業の合間にも点検する
やりがちなのは、作業台の端に蓄電池を立てて置き、振動で落とすことです。置くときは寝かせて、作業台の内側に置くだけで落下の機会は減らせます。

Bluetooth搭載モデルは無線連動の解除も忘れずに
BSL36A18BXのようなBluetooth搭載モデルは、残量表示スイッチが無線連動のスイッチを兼ねています。押し方で働きが変わる点を知っておくと、ランプの見間違いも減ります。
BSL36A18BXの取扱説明書では、集じん機のペアリング操作で検索中にしてから、無線連動/電池残量表示スイッチを2秒長押しすると連動し、もう一度長押しすると解除されます。ランプは検索開始が緑色点灯、検索中が青色点滅、連動中が青色点灯で、無線連動中でも表示スイッチを短押しすると電池残量を表示すると書かれています。
やりがちなのは、残量を見ようとして長押ししてしまい、青色の点滅を何かの異常と勘違いすることです。青色は無線連動のランプで、両端点滅の緑色のランプとは別のものです。
注意点として、取扱説明書は、無線連動を使ったあとに別のコードレス工具へ付け替えるときは連動を解除するよう書いています。連動のまま付け替えると、意図せず集じん機が作動することがあるためです。
まとめ
まずは工具から蓄電池を外して日陰で冷まし、残量表示スイッチをもう一度押して、点滅しているのが左端と右端の2個だけかを数え直してみてください。それでも両端点滅なら、点滅の動画を撮って、充電器といっしょに購入した販売店へ持っていくのが次の一歩です。
※製品の仕様・表示・サポート内容は変更される場合があります。最新情報はHiKOKI公式サイトと各製品の取扱説明書でご確認ください。

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