ホームセンターの木材売り場で「ベニヤ」と書かれた板を探すと、ラワン、シナ、構造用、針葉樹、化粧合板と名前がいくつも並んでいて、どれを買えばいいのか迷いますよね。厚さも色もばらばらで、値札の横には「F☆☆☆☆」「1類」「C-D」のような記号まで付いています。
結論から言うと、ベニヤの種類は何に使う板か(用途の区分)と、どこまで水に耐えるか(接着の程度)の2軸で見ると整理できます。合板の日本農林規格(JAS 0233)は合板を用途で6つに分け、さらに接着の強さを特類・1類・2類の3段階で区別しています。ここに樹種(ラワン・シナ・針葉樹)と心材の構成、ホルムアルデヒドの等級を重ねて読めば、ラベルの記号はほぼ読み解けます。
この記事では、農林水産省のJAS原文、日本合板工業組合連合会(日合連)の解説、国土交通省のシックハウス対策資料、日本繊維板工業会の製品解説といった一次情報をもとに、ベニヤの種類と見分け方、DIYでの選び分けをなぜそう分かれているのか、から説明します。
・「ベニヤ」と「合板」の言葉の違いと、JASが定める合板6種類の見分け方
・特類・1類・2類で水への強さがどう変わるか、屋外DIYで外さない選び方
・ラワン・シナ・針葉樹・ランバーコアの違いと、F☆☆☆☆や板面記号の読み方
・MDF・パーティクルボード・OSBと合板の作り方の違いと、用途別の選び分け
売り場の呼び名と規格の名前は同じ?言葉のずれを先にほどく

本来の「ベニヤ」は1枚の薄い板のこと
結論から言うと、売り場で「ベニヤ板」と呼ばれている板の正式な名前は合板(ごうはん)で、ベニヤはその材料になる薄い1枚の板を指す言葉です。
日本合板工業組合連合会の「合板の特長」ページでは、合板(プライウッド)を「木材を薄く剥いた板、すなわち単板」を乾燥させ、奇数枚を繊維方向が直交するように重ねて接着剤で貼り合わせた木質材料と説明していて、この単板に「ベニヤ(Veneer)」の読みが添えられています。つまり英語の Veneer は単板、Plywood が合板で、日本の売り場では材料の名前がそのまま完成品の呼び名として定着した、という関係です。
やりがちなのが、通販や海外の製品情報で veneer と書かれた商品を、棚板に使える板材だと思って買ってしまうケースです。veneer はもともと単板、つまり薄く剥いた1枚の板を指す言葉なので、商品名に入っていても棚板に使える厚みの合板とは限りません。
コツは、商品名ではなく「合板」「普通合板」「構造用合板」といったJASの区分名が書かれているかを確かめること。この記事でも以降は、売り場の呼び名としての「ベニヤ」と、規格上の名前としての「合板」を並べて使います。
単板(ベニヤ)=丸太をロータリーレースやスライサーで薄く切削した1枚の板。合板(プライウッド)=単板を繊維方向がほぼ直角になるように3枚以上積層接着した板(JAS 0233の適用範囲より)。心板=合板の内側の層。表板・裏板=合板の両面に出る層。
繊維を直角に重ねるから、反りにくく割れにくい
合板が無垢の板と違う一番のポイントは、単板の繊維方向を交互に直角に重ねていることです。
JAS 0233:2026は合板を、ロータリーレースやスライサーなどで切削した単板を、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして3枚以上積層接着した木材と定義しています(農林水産省 合板の日本農林規格)。木は繊維方向と、それに直交する方向とで伸び縮みや強さに差がある材料です。向きを交互にすると、ある層が動こうとする力を隣の層が押さえ込むため、日合連が合板の特長として挙げる、伸び縮みが少ない、広い面積が得られる、面としての強さが得られる、といった性質につながります。
家でのDIYで差が出るのは、幅の広い板が欲しい場面です。無垢板を何枚も接ぎ合わせて天板を作ると、季節で幅が動いて継ぎ目にすき間が出ることがあります。合板なら1枚で広い面が取れ、動きも小さく抑えられます。
注意したいのは、表面の木目の向きが「強い方向」だという点です。合板は層の構成上、表板の繊維方向とそれに直角の方向で曲げの強さが違います。棚板として使うときは、表板の木目が棚の長い方向に通るように切り出すのが基本です。
層の枚数が奇数になっている理由
合板の層が3枚・5枚・7枚と奇数になっているのは、中心をはさんで表と裏が対称になるようにするためです。
日合連の合板の説明でも、単板を「奇数枚を繊維方向が直交するように重ねて」貼り合わせると書かれています。表と裏で層の向きと厚みがそろっていれば、湿気で伸び縮みしようとする力が表裏で釣り合い、板全体が片側へ反りにくくなります。偶数枚だと表と裏の繊維方向がずれ、片面だけ動いて反る方向が生まれます。
DIYでやりがちなのは、合板の片面だけに塗装やシート貼りをして、もう片面を素地のまま置いておくことです。片面だけ湿気の出入りが変わるので、薄い合板ほど反りが出やすくなります。表裏を対称に作った板の性質を、仕上げで崩してしまう形です。
コツは、塗装するなら見えない裏面にも同じ回数だけ塗ること。保管するときも、壁に立てかけて片面だけ空気に当てるより、平らな場所に寝かせて表裏の条件をそろえる方が反りを抑えやすくなります。
ベニヤの種類はJASで6つ|まずは用途の区分で見分ける
JASが定める6種類の合板と、その分け方
合板の日本農林規格(JAS 0233:2026、2026年4月13日改正)は、合板を普通合板・コンクリート型枠用合板・構造用合板・化粧ばり構造用合板・天然木化粧合板・特殊加工化粧合板の6種類に分けています。
分け方の軸は何に使うために作られた板か、です。構造用合板は建物の構造耐力上主要な部分に使うもの、コンクリート型枠用合板はコンクリートを流し込む型枠に使うもの、天然木化粧合板は表面に化粧単板を貼ったもの、特殊加工化粧合板は表面にオーバーレイ・プリント・塗装などを施したもの、と規格本文で定義されています。そして普通合板は、それ以外のすべての合板です。用途が違えば求める性能も違うので、検査する項目と基準もそれぞれ別に決められています。
下の表は、JAS 0233と日合連の「合板の規格と表示」をもとに、6種類を工具・DIYの教科書調べで1枚に整理したものです。
| 種類 | 主な用途 | 接着の程度 | 板面の品質の表し方 |
|---|---|---|---|
| 普通合板 | 一般的な用途に広く使われる | 1類・2類 | 広葉樹表板は1等〜4等、針葉樹表板はA〜Fの組み合わせ |
| コンクリート型枠用合板 | コンクリート打込み時のせき板 | 1類 | A〜Dの組み合わせ |
| 構造用合板 | 建物の構造耐力上重要な部位 | 特類・1類 | A〜Dの組み合わせ(等級は1級・2級) |
| 化粧ばり構造用合板 | 構造用合板に化粧単板を貼ったもの | 特類・1類 | 化粧単板の品質基準 |
| 天然木化粧合板 | 天然銘木の薄い単板を貼った内装・家具用 | 1類・2類 | 表面・裏面の品質基準 |
| 特殊加工化粧合板 | オーバーレイ・プリント・塗装合板など | 1類・2類 | 表面性能のF・FW・W・SWタイプ |

DIYで出会うのは主に3種類
6種類のうち、家でのDIYで手に取る機会が多いのは普通合板・構造用合板・化粧合板(天然木化粧合板と特殊加工化粧合板)の3系統です。
理由は用途の範囲にあります。コンクリート型枠用合板は型枠用、化粧ばり構造用合板は建物の構造部分を見せる仕上げ向けで、どちらも棚や箱を作る目的とは想定がずれます。一方、普通合板は日合連の説明どおり一般的な用途に広く使われる板で、構造用合板は強度の基準がはっきりした下地向け、化粧合板は表面がすでに仕上がっている板です。
やりがちな失敗は、売り場で一番安い板を選んだら、表面に塗装したような光沢やシートが貼られた化粧合板だった、というケースです。特殊加工化粧合板は表面にオーバーレイやプリントを施した板なので、そのままオイルステインを塗っても染み込みません。逆に、木目を生かして塗りたいなら素地の普通合板を選ぶ必要があります。
コツは、ラベルの種類名の欄を最初に見ること。JAS製品なら「普通合板」「構造用合板」などの区分名が必ず表示されています。表面を自分で塗りたいのか、仕上がった面をそのまま使いたいのか、強度が必要な下地なのかを決めてから区分名で絞ると迷いません。
「化粧合板」は2種類あって中身が違う
化粧合板と一口に言っても、JASでは天然木化粧合板と特殊加工化粧合板の2つに分かれていて、表面に貼っているものが違います。
日合連の「合板の種類」によると、天然木化粧合板は普通合板の表面に美観を目的として天然銘木の薄い単板(スライスド単板)を貼ったもの、特殊加工化粧合板は天然銘木以外のものを貼ったり木目模様などを印刷加工したりしたもので、オーバーレイ合板、プリント合板、塗装合板などがあります。前者の表面は本物の木、後者の表面は樹脂や印刷というわけです。
家でやりがちなのは、プリント合板の表面をサンドペーパーで削って塗り直そうとし、印刷層が破れて下地が出てしまうケースです。天然木化粧合板でも表面の化粧単板は薄いので、強く研磨すると下の層が透けることがあります。
特殊加工化粧合板には表面性能の区分もあり、JASではFタイプ(主にテーブルトップ・カウンター等)、FWタイプ(耐久壁面等のほか家具用)、Wタイプ(一般壁面用)、SWタイプ(特殊壁面用)と用途別に分けています。天板に使うならFタイプの表示があるかを確認すると、表面の想定用途が合っているか判断できます。
水に強いかどうかは「特類・1類・2類」で決まる

3段階の違いは「想定する湿り方」にある
合板の水への強さは樹種ではなく、単板どうしを貼り合わせた接着層がどこまで耐えるかで決まり、JASではこれを「接着の程度」として特類・1類・2類の3段階に分けています。
JAS 0233:2026の定義では、特類は屋外又は常時湿潤状態となる場所、1類はコンクリート型枠用合板及び断続的に湿潤状態となる場所、2類は時々湿潤状態となる場所での使用を目的としています。日合連の「合板の種類」でも、2類を「時々湿潤状態となる場所(環境)において使用することを目的とした」合板と説明しています。想定する水の厳しさは「特類>1類>2類」の順で、数字のない特類がいちばん厳しい条件を想定している、と覚えるのが早道です。
違いを確かめる方法も規格で決まっていて、浸せき(水に漬ける)や煮沸、減圧加圧といった試験のあと、接着層がどれだけ剥がれずに残っているかで判定します。上位の区分ほど厳しい条件の試験に合格する必要があります。
コツは、普通合板は1類か2類までしかないと知っておくこと。特類が欲しい場合は、構造用合板か化粧ばり構造用合板から探すことになります。
屋外の棚に2類を使うと、層から剥がれていく
屋外や水回りでベニヤが早く傷むのは、木が腐るより先に接着層が剥がれてくることが多いからです。
2類は「時々」湿る場所を想定した接着性能なので、雨ざらしで乾湿を繰り返す環境は想定の外側です。日合連のFAQでは、接着の程度が特類の合板であれば強度性能は濡れても乾けば元に戻るとしつつ、十分乾燥させないまま施工を進めると黒カビや木材腐朽菌が発生して強度や耐久性能を低下させる危険がある、と案内しています(日合連 FAQ)。特類でも、濡れたまま閉じ込めればリスクがあるということです。
状況:余っていた普通合板でベランダのプランター台を作り、雨の当たる場所に置いた。
原因:普通合板の接着の程度は1類か2類で、屋外や常時湿潤の環境を想定した特類ではない。雨と乾燥の繰り返しで接着層から層が浮きやすい。
対策:屋外に置くものは「特類」表示の構造用合板を選び、木口(切り口)も含めて塗装する。水が溜まらない形にして、濡れても乾く条件をつくる。
失敗を防ぐ確認ポイントは、ラベルの「特類」「1類」「2類」の文字です。区分が書かれていない板は、屋外用途には使わない前提で考えた方が安全です。
建物の外壁側に使う構造用合板は「特類」に限られる
建築の世界では、屋外側の壁に使う構造用合板は特類に限るというルールがあり、接着の程度が性能の線引きとして実際に使われています。
日合連の「合板の種類」では、建築基準法に関する告示で、屋外に面する壁または常時湿潤の状態となる恐れのある壁の場合、使用する構造用合板は特類に限るとされている、と説明しています。壁の中で湿気にさらされ続ける部材ほど、接着層の耐水性が性能を左右するという考え方です。
家のDIYでこのルールを直接使う場面は多くありませんが、考え方は応用できます。たとえば屋外の物置の床や、濡れた長靴を置く玄関の台など、水が入り込んで乾きにくい場所ほど、特類を選ぶ理由がはっきりします。
なお、建物の外壁や屋根の施工、構造に関わる工事は、この記事の範囲ではありません。ここで紹介しているのは、あくまで家具や小物を作るときの「板の選び方の目安」として告示の考え方を借りる、という使い方です。
樹種と構成で手ざわりが変わる|ラワン・シナ・針葉樹とランバーコア
ラワン合板は日本の合板の出発点
ラワン合板は、熱帯産の広葉樹(ラワン材)の単板で作られた合板で、日本の合板産業の歴史とともに広まった種類です。
日合連の「合板の原料」によると、日本の合板産業は主に熱帯産広葉樹丸太(ラワン材)を原料に発展してきました。JASでもラワンは特別な扱いを受けていて、接着力の試験でせん断強さの基準でラワンやしなその他の広葉樹を区分したり、曲げ試験の試験片の作り方を、全ての単板がラワンである場合とそれ以外とで分けて定めたりしています。
ラワン合板で知っておきたい注意点が虫です。日合連の説明では、ラワン材を食害するヒラタキクイムシを防除するため、製造時に防虫薬剤で処理した防虫処理合板があるとしています。長期間しまっておく収納の内部などに使うなら、防虫処理の表示があるかを確認する意味があります。
やりがちなのは、「ラワン」と書かれていれば全部同じだと考えてしまうことです。同じラワン合板でも、接着の程度(1類・2類)、厚さ、表面の等級は製品ごとに違います。樹種名は見た目の手がかりにとどめ、性能はラベルの区分で判断しましょう。
シナ合板は表面の等級で選ばれる広葉樹合板
シナ合板は、表板にシナ(シナノキ科)の単板を使った広葉樹合板で、JASの表面品質の基準が細かく定められた樹種グループに入っています。
JAS 0233:2026は、表板に用いる広葉樹単板のうち「表3」に挙げた種類(シナノキ科、カバノキ科、ブナ科、カエデ科など)について、生き節・死に節・抜け節・穴などの許容範囲を1等から4等まで段階的に決めています。1等ほど節や穴が少なく、小さい、という並びです。日合連の「合板の種類」では、広葉樹合板の例としてシナの板の写真が掲載されています。
家具の天板や扉など、表面を見せる用途でシナ合板が選ばれるのはこのためで、等級が上の板ほど塗装したときに節や補修跡が目立ちにくくなります。逆に、見えない下地や箱の内側にまで上の等級をそろえる必要はありません。
選ぶときのコツは、売り場で実物の表面を見て、節・補修跡の位置を確かめることです。等級の基準は「板面積あたりの節の数」などで決まっているので、1枚の中でも切り出す位置によって見え方が変わります。

今の主流は国産の針葉樹合板
現在、日本で作られている合板の大部分はスギやカラマツなどの国産針葉樹を使った針葉樹合板です。
日合連によると、地球環境保全などの観点から原料を針葉樹へ転換し、国産材原木の利用は2021年に92%に達し、国産合板生産量に占める針葉樹合板の割合は2020年に97%に達しました。たとえばキーテックの針葉樹構造用合板のカタログでは、樹種としてカラマツ、アカマツ、スギ、シラベなどを挙げ、規格をJAS構造用合板 2級 C−D F☆☆☆☆、寸法を厚さ12mm・24mm・28mm、幅910mm、長さ1820mmとしています。
針葉樹合板は、表面に節や色の濃淡が出やすい板です。家でやりがちなのは、構造用の針葉樹合板を化粧用の板と同じ感覚で天板に使い、塗装後に節や表面の荒れが目立って「思ったより粗い」と感じるケースです。
コツは、針葉樹合板の素朴な表情をデザインとして生かすか、見えない下地に回すかを最初に決めること。見せる面に使うなら、後で紹介する板面の記号(AやBなどのアルファベット)を確認し、表面の品質が上の記号のものを選ぶと仕上がりの差が出にくくなります。
ランバーコア・ハニカムなど「中身」が違う合板
合板には、心板(内側の層)に単板以外のものを使った特殊コアー合板という仲間もあり、厚くても軽い、反りにくいなどの性格の違いが生まれます。
| ベニアコアー合板 | 心板にも単板を使った、もっとも基本的な構成の合板 |
| ランバーコアー合板 | 心板にランバー(挽板)、表・裏・添え心板に単板。ブロックボードとも呼ばれる |
| ボードコアー合板 | 心板にパーティクルボードやMDFなどを使用 |
| 軽量合板 | 心板に紙を蜂の巣状などに樹脂加工したもの(ハニカム)や、インシュレーションボードを使用 |
家で注意したいのは、軽量合板(ハニカム)の扱いです。中が空洞に近い構造なので、表面の薄い層にしかビスが効かず、思った場所に金具が付けられないことがあります。ランバーコアは木口から見ると挽板が並んでいるので、ビスを打つ位置によって効き方が変わります。買う前に木口(切り口)を見て、中身を確かめるのが確実です。
ラベルのどこを見る?F☆☆☆☆と板面記号の読み方
F☆☆☆☆は「ホルムアルデヒド放散量」の等級
合板のラベルにある「F☆☆☆☆」は、接着剤などから出るホルムアルデヒドの放散量を4段階で表した等級で、星の数が多いほど放散量が少ないことを示します。
JAS 0233:2026の表2では、試験で測った放散量の平均値と最大値の上限を、F☆☆☆☆が平均値0.3mg/L・最大値0.4mg/L、F☆☆☆が0.5mg/L・0.7mg/L、F☆☆が1.5mg/L・2.1mg/L、F☆が5.0mg/L・7.0mg/Lと定めています。ホルムアルデヒドを含む接着剤を使っていないことを登録認証機関が認めた場合は、この基準の適用外となります。
建物では、この等級が使える面積に直結します。国土交通省のシックハウス対策の資料では、内装仕上げの制限として、F☆☆☆☆は制限なし、F☆☆☆は床面積の2倍まで、と整理されています。対象となる建材には合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなどが挙げられています。
コツは、室内で使う家具や収納を作るならF☆☆☆☆表示の板を選ぶことです。家具そのものは建築基準法の内装制限の対象ではありませんが、同じ部屋の空気に関わる材料なので、選べるなら放散量の少ない等級を選んでおくのが筋の通った考え方です。
板面の「A-B」「C-D」は表と裏の品質の組み合わせ
針葉樹合板のラベルにある「C-D」のような記号は、表面と裏面の板面の品質を左右に並べたもので、左が表、右が裏です。
JAS 0233:2026の表7は、表板に針葉樹単板を用いた合板の品質記号を「A-A」「A-B」「C-D」などの組み合わせで定めていて、表8で記号ごとに節や穴、割れなどの許容範囲を決めています。Aが節や穴の許容範囲がいちばん狭い側で、B・C・D・E・Fと進むほど節や補修が許される範囲が広がります(構造用合板とコンクリート型枠用合板はA〜Dの4段階)。表板に広葉樹単板を使う場合は、代わりに1等〜4等の等級で表します。
キーテックのカタログにある「2級 C−D」なら、構造用合板の等級が2級で、表面がC、裏面がDという意味になります。構造用合板は壁や床の下地として隠れる前提なので、表面の見た目より強度の基準が優先されている、と読めます。
選び方のコツは、見せる面がある板は左側の記号を見ることです。片面だけ見える棚の背板ならA-CやB-Dのように表だけ良い組み合わせで足り、両面が見える仕切り板なら左右とも上の記号がそろった板を選びます。
JASマークに書かれている項目の見方
JASマークのラベルには、種類・接着の程度・板面の品質・ホルムアルデヒド等級・寸法・製造者がまとめて書かれていて、ここを読めば板の性格がほぼ分かります。
日合連の「合板の規格と表示」では、普通合板のJASマークの例としてF☆☆☆☆、普通合板、910×1820mmと製造工場名の並んだ表示を、コンクリート型枠用合板の例として12×900×1800mm、B-Cを含む表示を紹介しています。寸法は厚さ×幅×長さの順で書かれるのが読み方の基本です。
やりがちなのは、ラベルを見ずにカット済みの端材を買い、後から「屋外に使えるか」が分からなくなるケースです。端材コーナーの板は元のラベルが切り落とされていることが多いので、用途が決まっているなら定尺の板でラベルを確認してから買うのが確実です。
MDF・パーティクルボード・OSBは合板と何が違うのか
違いは木をどこまで細かくしてから固めるか
合板・パーティクルボード・MDFの違いは、木を単板・小片・繊維のどの大きさまでほぐしてから板にするかにあります。
林野庁の森林・林業白書は、合板を単板を3枚以上直角に積層接着した板、パーティクルボードを細かく切削した木材に接着剤を添加して熱圧した板製品、ファイバーボードを密度によりハードボード・MDF・インシュレーションボードの3種に分かれるもの、と説明しています。単板を平行に重ねたものはLVLと呼ばれ、合板とは別の製品です。
| 項目 | 合板 | パーティクルボード | MDF |
|---|---|---|---|
| 原料の形 | 薄い単板 | 木材の小片 | 木材の繊維 |
| 規格 | JAS 0233 | JIS A 5908 | JIS A 5905 |
| 特徴(公式の説明) | 伸び縮みが少なく、面としての強さが得られる | 小片の多層構成で、表裏面は中心層より細かい | 表面・木口が緻密で、ルーター切削や塗装に向く |
| 主な用途の例 | 家具・内装・建物の下地 | 一般家具、床下地、耐力面材 | フローリング基材、収納・ドアの下地 |
DIYで押さえたいのは、木を細かくほぐすほど木目の方向性が消え、どの方向にも均質な板になる一方、単板を重ねた合板のような「繊維が通っている強さ」は持たないという点です。用途で向き不向きが分かれます。
MDFは木口がきれいで加工向き、ただし水には注意
MDFは表面も木口も緻密で、削ったり塗ったりする加工に向く板です。
日本繊維板工業会のMDFの紹介では、MDFについて「表面、木口が繊密で、ルーター切削などに最適です」と説明し、塗装や各種オーバーレイ加工に適しているとしています。密度0.35g/cm3以上で乾式製法による板状製品で、規格はJIS A 5905です。普通MDFの主な厚さは2.5mmから30mmまで幅広く用意されています。
合板の木口は層が縞模様に見えるのに対し、MDFの木口は均一なので、ルーターで面取りしたり、木口まで塗りつぶしたりしたい小物づくりで差が出ます。
一方で注意したいのが置き場所です。同じページでMDFの用途として挙げられているのは、フローリング基材や収納・ドアの下地、耐力壁といった建物の内側の部材です。合板のような特類・1類・2類の区分はなく、同じページに示されたJIS A 5905の耐水性の区分(普通・耐水1・耐水2)も、主な用途は家具(普通)や建築下地・造作部材(耐水1・耐水2)とされていて屋外用ではないので、家でやりがちな、洗面所や屋外にMDFの棚をそのまま置く使い方は避けたいところです。水回りや屋外では合板の特類や1類を優先し、MDFは室内の加工を生かす場面に回す、という使い分けが基本になります。
パーティクルボードとOSBは「小片」の形が違う
パーティクルボードとOSBは、どちらも木材の小片を接着して固めた板ですが、小片の大きさと並べ方が違います。
日本繊維板工業会のパーティクルボードの紹介では、パーティクルボードを木材の小片で多層構成されており、表裏面は中心層より細かくなっている板と説明しています。同じページの品質区分の備考には、24-10タイプは配向性ストランド(OSB)タイプと記されていて、OSBは細長い削片(ストランド)の向きをそろえて重ねたパーティクルボードの一種と位置づけられます。構造物の耐力部材として使うパネルには、構造用パネルの日本農林規格(JAS 0360)もあります。
主な寸法は、厚さ9mmから40mmまで、幅と長さは910×1820mmのほか、910×2420mm、910×2730mm、1210×2420mmなどがあります。
DIYでは、OSBの削片がそのまま見える表情をインテリアに生かす使い方もあります。ただ、小片を固めた板は単板を重ねた合板とは中の構造が違うので、合板と同じ感覚でビスを打たず、板の端にビスを打つ場合は下穴をあけ、端から距離をとることを意識しましょう。

DIYの用途別、ベニヤの種類はこう選び分ける
室内の棚・家具なら普通合板の「表面の等級」と「F☆☆☆☆」
室内で使う棚や収納を作るなら、普通合板の中から、表面の等級とF☆☆☆☆表示で選ぶのが基本です。
普通合板は日合連の説明どおり一般的な用途に広く使われる合板で、接着の程度は1類か2類です。室内の家具は雨ざらしにならないので、2類でも想定の範囲に収まります。そのうえで、見える面の美しさは広葉樹なら1等〜4等、針葉樹ならA〜Fの記号で、室内の空気への配慮はホルムアルデヒド等級で選び分けます。
ここで逆張りの視点をひとつ。実は、合板は「厚いほど強い」とは限りません。日合連のFAQは「同じ樹種を用いた同じ厚さの合板でも、単板構成(単板を何層とするか、各層の厚さをどうするか)により、強度性能は2倍から3倍も異なります」と説明しています(日合連 FAQ)。同じ厚さの板でも層の数で強さが変わるので、本を並べる棚板のように重さがかかる場所では、厚さの数字だけでなく木口の層の数も見比べる価値があります。
コツは、棚板のたわみが心配なら、厚い板に替える前に棚の支えの間隔を短くすることも検討することです。板の性能だけで解決しようとせず、支え方とセットで考えると材料選びの幅が広がります。
屋外・水回りなら「特類」、下地なら構造用合板
屋外や水がかかる場所で使うなら特類の構造用合板、床や壁の下地のように強度が欲しい場所なら構造用合板全般、が選び方の軸になります。
前半で見たとおり、特類は屋外や常時湿潤の環境を想定した接着の程度で、普通合板にはありません。構造用合板には特類と1類があり、さらに1級・2級の等級で曲げなどの強度の基準が決められています。キーテックのカタログでも、用途を住宅向けの床・壁などとしています。
状況:丈夫そうだからと構造用合板(C-D)でテーブルの天板を作ったら、塗装後に節や補修跡、表面の荒れが目立った。
原因:構造用合板は下地として隠れる前提で、板面の品質はCやDの記号が多い。強度の基準と見た目の基準は別物。
対策:見せる面がある家具は板面記号の左側(表面)がAやBの板、または表面品質の等級が上の普通合板を選ぶ。構造用合板を使うなら、その表情を生かすデザインと割り切る。
もうひとつの注意点は、雨に濡れた構造用合板の扱いです。日合連のFAQにあるとおり、特類でも十分に乾かさないまま塗装や組み立てに進むと、カビや腐朽菌の原因になります。濡れた板は乾かしてから次の工程へが原則です。
カットするときは「表裏」と「刃の向き」を意識する
ベニヤの種類を選んだら、最後は切り方です。合板は表板と裏板の品質が違うことが多いので、見せる面がきれいに残る向きで切ることが仕上がりを左右します。
丸ノコやジグソーで切ると、刃が材料から抜ける側の面に表面単板のささくれが出やすくなります。どちらの面が抜け側になるかは工具の刃の回転や往復の向きで決まるので、取扱説明書で刃の向きを確認し、見せたい面が抜け側にならない置き方で切るのが基本です。化粧合板は表面の層が薄いので、この差が目立ちます。

やりがちなのは、合板の端ぎりぎりにビスを打って層の間で割ってしまうことです。日合連のFAQでは、耐力壁の大臣認定仕様で厚さ12mm合板の縁端距離を12mmとしていると説明しています。家具づくりにそのまま当てはまる数字ではありませんが、端から距離をとる考え方は共通です。
まとめ
ベニヤ選びで迷ったら、まず「この板をどこに置くか」を紙に書き出してから売り場へ行ってみてください。室内か屋外か、水がかかるか、見せる面があるかが決まれば、ラベルの種類名、特類・1類・2類の接着の程度、板面の記号とF☆☆☆☆の等級を順に見るだけで、候補は数枚に絞れます。この読み方さえ身につけば、ラワン・シナ・針葉樹といった樹種の違いも、ランバーコアやハニカムといった中身の違いも、MDFやOSBとの使い分けも「なぜそれを選ぶのか」を自分の言葉で説明できるようになります。最初の1枚は、室内に置く小さな棚をF☆☆☆☆の普通合板で作り、ラベルを確かめて買う流れを一度体験するところから始めてみましょう。迷ったときに立ち返る順番は、置き場所、種類名、接着の程度、板面の記号、ホルムアルデヒド等級の5つです。この順に確かめれば、売り場で名前の多さに振り回されることはなくなり、必要以上に高い等級の板を買うことも減らせます。
※規格の内容や製品の仕様は改正・変更されることがあります。最新情報は農林水産省・各メーカーの公式サイトでご確認ください。

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