MENU

木材の名称は4つの軸で覚える|1×4が19×89mmの理由と板類・角類の境目75mm

木材の名称は4つの軸で覚える|1×4が19×89mmの理由と板類・角類の境目75mmのアイキャッチ画像

木材売り場の棚札を見ると、スギ、SPF、1×4、集成材、SD15、構造用といった言葉が1枚のラベルに並んでいます。図面どおりに棚を作るつもりで1×4を買ったら幅が思ったより狭かった、同じ角材に見えるのに反り方が違った。こうした戸惑いの多くは、名前の読み方を知らないまま選んでいることから起きやすくなります。

結論から言うと、木材の名称は、木の種類(針葉樹・広葉樹と樹種名)、形(板類・角類と寸法型式)、状態(乾燥の表示と木取り)、つくり方(製材・集成材・合板・LVL)の4つの軸に分けて読むと整理できます。それぞれの名前には、日本農林規格(JAS)や林野庁・林業試験研究機関の資料にもとづく意味があります。

この記事では、農林水産省のJAS審議資料、林野庁、三重県、北海道立総合研究機構 林産試験場の公開資料を出典に、木材の呼び名がなぜそうなっているのかを理屈から解説します。1×4が19×89mmになる理由や、板と角材の境目が75mmで決まる話も、規格の文言から確認していきます。

📌 この記事でわかること

・木材の名前を樹種・形・状態・つくり方の4つの軸に振り分ける読み方
・針葉樹と広葉樹を分ける細胞のしくみと、スギ・ヒノキ・SPFの性質の違い
・板類と角類の境目、1×4・2×4の呼び名と実寸、SD15などの乾燥表示の意味
・集成材・合板・LVLが接着のしかたで呼び分けられる理由

目次

木材の名称がややこしいのは4種類の名前が1枚のラベルに同居しているから

木材の名称がややこしいのは4種類の名前が1枚のラベルに同居しているからの解説画像

ラベルは樹種・形・状態・つくり方に分解すると読める

木材のラベルは1つの商品名に見えますが、実際には性質の違う4種類の情報を並べたものです。ここを分けて読めるようになると、売り場の言葉の大半は意味がつながります。

分けて考える理由は、それぞれの名前が別の物差しで付けられているからです。スギやヒノキは植物としての木の名前、板類や1×4は寸法の区分、SD15のような記号は乾燥の程度、集成材や合板は加工のしかたを表します。同じ木でも、挽き方や乾燥の度合い、貼り合わせ方が変われば名前が変わります。

やりがちなのは、樹種名だけを見て選んでしまうことです。たとえば同じスギでも、未乾燥の角材と人工乾燥して寸法を仕上げた板とでは、買ったあとの縮み方や反り方が違ってきます。樹種が合っていても、状態の名前を見落とすと、組み立て後にすき間が出るといった失敗につながりやすくなります。

コツは、ラベルの言葉を見つけたら、それが4つの軸のどれに当たるかを頭の中で振り分けることです。振り分けられない言葉があれば、それが自分の知らない情報だと分かります。そこだけを調べればよいので、売り場で迷う時間が短くなります。

名前の出どころは植物の分類・JAS・売り場の呼び名の3系統

木材の名前には、出どころが3つあります。植物としての分類、日本農林規格(JAS)の用語、そして売り場や業界の呼び名です。どこから来た名前かで、意味の厳密さが変わります。

針葉樹・広葉樹は植物のつくりにもとづく分類で、林野庁が細胞の違いとして説明しています。板類・角類、造作用製材、構造用製材、SD15といった言葉は、製材のJASで定義された用語です。1×4や2×4は、枠組壁工法構造用製材のJAS(JAS 600)の寸法型式104・204に対応する呼び名で、北米由来のインチ表記がもとになっています。集成材・合板・LVLも、それぞれのJASに定義があります。

失敗しやすいのは、売り場の呼び名を規格の寸法そのものだと思い込むケースです。1×4は呼び名であって、実寸はJASの規定寸法で決まっています。呼び名から寸法を計算して設計すると、組み上げたときに数字が合わなくなります。

JASの用語は定義が文章で公開されているので、意味に迷ったら農林水産省の資料で確かめられます。ラベルにJASマークや規格名が書かれていれば、その名前は定義つきの言葉だと考えてよいでしょう。

名前を読み違えると困るのは寸法・反り・用途の3場面

木材の名前を読み違えたとき、困りごとが出やすいのは寸法、反り、用途の3つの場面です。どれも買ったあとでは取り返しにくいので、選ぶ段階で名前から読み取っておきたいところです。

寸法は、呼び名と実寸のずれが原因です。2×4の寸法型式204は、乾燥材の規定寸法が38×89mmで、インチの数字とは一致しません。反りは、乾燥の程度と木の取り方が関係します。木材は方向によって縮み方が違う性質を持つため、乾燥が不十分な材や板目の材は、乾く過程で形が変わりやすくなります。用途は、構造用・造作用・下地用といったJASの区分が、使う場所を前提に定められていることに関わります。

家でのDIYでありがちなのは、棚板の幅を呼び名の数字で割り付けてしまい、並べたときに想定より短くなる失敗です。もう1つは、未乾燥の材を室内で使い、数週間後にビスまわりにすき間が出るケースです。

買う前に、実寸・乾燥表示・用途区分の3つをラベルで確認する、と決めておくだけで、この3場面の失敗は減らせます。以下の章では、それぞれの名前の意味を順番に見ていきます。

📌 押さえておきたいポイント

木材の名前は、樹種(スギ・ヒノキなど)、形(板類・角類・1×4など)、状態(SD15・D18などの乾燥表示、板目・柾目)、つくり方(製材・集成材・合板・LVL)の4つの軸のどれかに当てはまります。JASで定義された言葉は、農林水産省の公開資料で意味を確かめられます。

針葉樹と広葉樹は葉の形より細胞のつくりで分かれる

違いの本体は仮道管と道管という細胞

針葉樹と広葉樹の違いは、葉の形だけではありません。木材として見たときの本質的な違いは、幹をつくっている細胞の種類にあります。

林野庁九州森林管理局のQ&Aでは、「針葉樹(主に葉がとがった針のような木)は仮道管という細胞で大半がつくられており、広葉樹(主に葉が広い木)は道管で作られています。」と説明されています(林野庁 九州森林管理局 Q&A)。木材の名前で最初に出てくる針葉樹・広葉樹の区分は、この細胞の違いに対応していると考えると理解しやすくなります。

やりがちな誤解は、針葉樹は柔らかく広葉樹は硬い、と単純に覚えてしまうことです。区分の根拠は細胞のつくりであって、硬さで分けているわけではありません。硬さや重さは、後で見る比重のように樹種ごとの幅で確認する必要があります。

売り場の札で針葉樹・広葉樹の表記を見たら、まず細胞のつくりの違いを表す大きな分類だと捉えてください。そのうえで、スギ、ヒノキといった樹種名と、その樹種の性質を公的資料で確認する、という2段階で読むのがコツです。

針葉樹の仮道管は水を運びながら木を支える

針葉樹の仮道管は、水の通り道と、木全体を支える骨組みの2役を1種類の細胞で兼ねています。針葉樹の材が素直で加工しやすいと言われる背景を考えるうえで、知っておきたい性質です。

林野庁のQ&Aには「針葉樹の仮道管はあまり長さがない(1~6mm)細胞の集団で水の通路の役目とともに、木の全体を支える役目もしています。」とあります(林野庁 九州森林管理局 Q&A)。1~6mmほどの短い細胞が集まって、幹の大半を占めているという構造です。

具体的な場面としては、スギやヒノキ、トドマツの材をノコギリで縦に挽いたとき、木目に沿ってまっすぐ進みやすいと感じることがあります。後で見るように、三重県や林産試験場の資料でも、これらの樹種は木目や木理がまっすぐで加工しやすいと説明されています。一方で、細胞の並びに沿って割れやすい面もあるので、板の端にビスを打つときは注意が必要です。

針葉樹の材を扱うときは、繊維の方向、つまり木目の流れを確認してから切る位置やビスの位置を決めると失敗が減ります。端に近い位置へビスを打つ場合は、下穴をあけて割れを防ぐのが基本です。

広葉樹の道管は水を通す専用の通路

広葉樹の道管は、水を通すことに特化した管です。広葉樹の名前を見たときは、この専用通路を持つ構造だという点を覚えておくと、木目の向きに気を配る理由が分かります。

林野庁のQ&Aでは「広葉樹の道管は連続的に細胞がつらなり水を通す専用の通路となっています。」と説明され、そのために広葉樹を縦方向にすると水もれしやすいことにも触れています(林野庁 九州森林管理局 Q&A)。細胞が上下につらなって管になっているため、その方向に水が抜けやすいという理屈です。

DIYで考えると、水を受ける容器や水まわりの小物を作るとき、材の向きによって水の通り方が変わるという点が関わってきます。木目の方向を意識せずに板を組むと、意図しない方向に水がしみ込む可能性があります。

なお、オークやウォルナットといった個別の広葉樹の性質は、樹種ごとに違います。広葉樹の名前で材を選ぶときは、販売元やメーカーが公開している樹種の情報を確認し、用途に合うかを見てから決めてください。本記事では、公的資料で確認できた針葉樹の樹種を中心に解説します。

📖 用語チェック

仮道管=針葉樹の大半をつくる細胞。長さ1~6mmの細胞の集団で、水の通路と木全体を支える役目を兼ねる。
道管=広葉樹の細胞。細胞が連続的につらなり、水を通す専用の通路になっている。
(出典:林野庁 九州森林管理局 Q&A)

あわせて読みたい
木材の種類は密度で選ぶ|針葉樹と広葉樹の違いとヒノキが釘に約2倍強い理由 ホームセンターの木材売り場に行くと、スギ、ヒノキ、ツーバイ材、合板、集成材と名前がずらりと並んでいて、どれを選べばいいのか迷いますよね。値札には樹種名とサイ...

スギ・ヒノキ・SPFは比重と性質で読み分ける

スギ・ヒノキ・SPFは比重と性質で読み分けるの解説画像

スギは木目がまっすぐで加工しやすい日本特産の木

スギは、木目がまっすぐで加工しやすく、比重が軽めの範囲に入る樹種です。DIYで扱いやすい材として名前を覚えておく価値があります。

三重県の樹木解説では、スギについて「木目はほぼまっすぐで、切削加工や鉋掛けは容易」と記されています(三重県 スギ)。比重は0.30~0.45とされ、日本特産で各地に広く自生し、有用樹種として多く植林されてきた木と紹介されています。色は、辺材が白っぽく、心材は黄色味を帯びた赤褐色です。

具体的には、1本の材の中で白っぽい部分と赤褐色の部分が混ざっていることがあります。これは辺材と心材の色の違いで、傷みや汚れではありません。この色の差を知らずに、色むらのある材を不良品と思って避けたり、逆に塗装で色がそろわずに驚いたりするのは、よくある戸惑いです。

見た目をそろえたい作品では、心材と辺材の配分を見て材を選ぶと仕上がりの印象が安定します。加工のしやすさは公的資料で確認できますが、耐久性については本記事の出典に記載がないため、屋外で使う場合は塗料メーカーの案内なども合わせて確認してください。

ヒノキは耐久性と水への強さが公的資料に書かれた木

ヒノキは、耐久性に優れて水に強く、加工しやすいと公的資料に明記されている樹種です。香りの強さも名前とセットで覚えておきたい特徴です。

三重県の樹木解説では「耐久性に優れ、水に強い、加工しやすく光沢が出る、ヒノキ特有の強い香りがある」と説明されています(三重県 ヒノキ)。比重は0.34~0.54とされ、辺材と心材の色の差ははっきりせず、黄みがかった白色です。用途は、建築材、器具材、機械材、土木用材、船舶材、車輌材、枕木など範囲が広いと紹介されています。

スギと並べると、ヒノキは材全体の色がそろいやすい点が違います。スギのように心材と辺材で色が分かれにくいため、明るく均一な見た目に仕上げたい場面で選ばれることがあります。一方で、香りが強いことは長所にも短所にもなり得るので、小さな部屋や収納の内側に使う場合は、香りが気にならないか事前に確かめておくと安心です。

比重の範囲を見ると、ヒノキはスギより上側まで幅があります。同じ寸法の材でも持ったときの重さが変わる可能性があるので、吊り下げる棚など重さが効いてくる作品では、樹種名も確認して選んでください。

SPFはスプルース・パイン・ファーの略でトドマツの仲間

SPFは1つの樹種名ではなく、スプルース・パイン・ファーの頭文字をとった略称です。林産試験場の報告では、エゾマツやトドマツと同類の樹種と説明されています。

北海道立総合研究機構 林産試験場の報告では、SPFを「スプルース,パイン,ファー」の略称として紹介しています(林産試験場 報告)。同類とされるトドマツについては、「木理が通直で比較的軽軟なので,割裂性,切削・加工性がよく,人工乾燥も容易である」と解説されています(林産試験場 トドマツ)。色は心材と辺材の差が明瞭でなく、一様に白色あるいはごく淡い黄白色です。

注意したいのは、同じ解説でトドマツの耐朽性は低めとされている点です。比較的軽くて加工しやすい反面、腐りにくさは高くないという性質の組み合わせです。SPFと書かれた材を屋外のベンチなどに使い、雨にさらされる環境で傷みが早く出る、というのはありがちな失敗です。

北海道ではトドマツが「昔からエゾマツとともに建築の主材料として使われ,本州のスギ,ヒノキのように取り扱われてきた」と紹介されています(林産試験場 トドマツ)。SPFは室内の棚や家具に向けて検討し、屋外で使う場合は塗料メーカーの案内で保護の方法を確認するのが無難です。

比重の範囲は重なっている——樹種名だけで決め打ちしない

意外と知られていないけれど、スギとヒノキの比重は範囲が重なっています。樹種名だけで、こちらが必ず重い、硬いと決め打ちするのは避けたほうがよい、というのがこの節の結論です。

三重県の資料では、スギの比重は0.30~0.45、ヒノキは0.34~0.54です。数字を並べると、ヒノキのほうが上限は高いものの、両者の範囲の大部分は重なっています。木材は同じ樹種でも、育った環境や材の部位によって性質に幅が出るため、資料も1つの値ではなく範囲で示しているわけです。

やりがちなのは、ネットの情報などで樹種のイメージだけを覚え、比重の範囲を確認しないまま選ぶことです。重さを抑えたい棚でヒノキを避けてスギを選んでも、材によっては差が小さいことがあります。逆に、重さや強さが効く作品で、樹種名だけを根拠に寸法を細くするのも危険です。

樹種名は性質の傾向を知る入口として使い、寸法や本数、支え方で強さを確保するのが基本です。重さが気になるときは、売り場で同じ寸法の材を持ち比べ、同じ樹種の中でも差があることを確かめてから選ぶと失敗が減ります。

📊 樹種名の違いを比較(工具・DIYの教科書調べ)
項目 スギ ヒノキ トドマツ(SPFと同類)
比重 0.30~0.45 0.34~0.54 気乾比重0.4(比較的軽軟とされる)
色 辺材は白っぽく、心材は黄色味を帯びた赤褐色 辺材・心材ははっきりせず黄みがかった白色 一様に白色あるいはごく淡い黄白色
加工性 木目はほぼまっすぐで切削・鉋掛けは容易 加工しやすく光沢が出る 木理が通直で切削・加工性がよく人工乾燥も容易
耐久性・水 本表の出典では未掲載 耐久性に優れ、水に強い 耐朽性は低め
出典 三重県 三重県 林産試験場

板と角材の境目は木口の75mmと4倍で決まる

板類は短辺75mm未満で長辺が短辺の4倍以上

板と角材の違いは、見た目の印象ではなく、木口(切り口)の寸法で決まります。製材のJASでは、短辺が75mm未満で、長辺が短辺の4倍以上のものを板類としています。

製材の日本農林規格は、令和7年1月31日農林水産省告示第195号で全部改正され(JAS 1083-1:2025)、その後の一部改正により現在はJAS 1083-1:2026(製材-第1部 一般要求事項)となっています。改正にあたっての農林水産省の審議資料では、板類を「木口の短辺が 75 mm 未満で,かつ,木口の長辺が木口の短辺の 4 倍以上のもの」と定義しています(農林水産省 製材JAS審議資料)。それ以外、つまり短辺が75mm以上のもの、または短辺が75mm未満でも長辺が短辺の4倍未満のものが角類です。

ありがちなのは、古い解説書やネットの記事で、板類・ひき割類・ひき角類の3つに分ける説明を見て混乱するケースです。これは古い版の規格にもとづく表現です。板類と角類の2区分(構造用製材にはこのほか円柱類)は2026年版で新しく決まったものではなく、少なくとも平成25年改正前の製材JAS(平成19年告示)ですでに使われています。

木口の寸法を測るときは、短い辺と長い辺を確認し、短辺が75mmに届くか、長辺が短辺の4倍に届くかの2点を見れば区分できます。条文の番号は改正で変わることがあるため、正確に確認したい場合は農林水産省の最新の告示を見てください。

実は2×4は規格の物差しでは角類の側に入る

実は、売り場で板材の仲間のように並んでいる2×4は、製材JASの区分の物差しを当てはめると角類の側に入ります。一方、1×4は板類の側です。見た目の印象と規格上の区分がずれる、おもしろい例です。

理由は寸法の比率です。2×4の寸法型式204は、乾燥材の規定寸法が38×89mmです。短辺にあたる厚さ38は75mm未満ですが、長辺の幅89は短辺の4倍に届きません。そのため、4倍未満という条件に当たり、角類の側に入ります。1×4の寸法型式104は19×89mmで、長辺が短辺の4倍を上回るので板類の側です。なお、1×4や2×4は枠組壁工法構造用製材(JAS 600)の寸法型式で、製材JASの区分は参考として当てはめた考え方です。

この区分を知らないと、厚い板のつもりで角材の扱いをされている材を探して見つからなかったり、通販の分類で迷ったりします。厚みが増すと、同じ幅でも板から角に区分が変わることを覚えておくと検索がしやすくなります。

材を探すときは、板か角かの名前ではなく、必要な厚さと幅の数字で探すのが確実です。名前の区分は、その数字の比率を言い換えたものだと考えてください。

造作用・構造用・下地用は使う場所を表す名前

製材の名前には、形とは別に使う場所を表す区分があります。造作用製材、構造用製材、下地用製材の3つで、見える場所に使うのか、建物を支えるのか、隠れる部分に使うのかを表しています。

農林水産省の審議資料では、造作用製材は敷居・鴨居・壁などの造作に、構造用製材は構造耐力上主要な部分に使う製材とされています。下地用製材については、「製材のうち,針葉樹を材料とするものであって,建築物の屋根,床,壁等の下地(外部から見えない部分をいう。)に使用することを主な目的とするもの」と定義されています(農林水産省 製材JAS審議資料)。審議資料の定義では、これらは針葉樹を材料とする製材として位置づけられています。

DIYでありがちなのは、下地用の材を見える場所の家具に使い、表面の仕上がりに不満が出るケースです。下地用は外から見えない部分を前提にした区分なので、見た目の面では造作用と同じ基準ではありません。

用途区分の表示がある材を選ぶときは、作るものの中でその材が見える部分か、隠れる部分かを先に決めると、区分の名前と結びつけやすくなります。見える面に使うなら造作用の表示を目安にしてください。

Q 板と角材は、厚さが何mm以上かだけで分かれるのですか?
A 厚さ(木口の短辺)だけでは決まりません。製材JASでは、短辺が75mm未満で、かつ長辺が短辺の4倍以上のものを板類としています。短辺が75mm未満でも、長辺が4倍未満なら角類です。厚さと幅の比率も合わせて見てください。

1×4・2×4の数字はインチ由来の呼び名で実寸は規格表にある

ツーバイフォーは工法の名前から来ている

2×4(ツーバイフォー)という名前は、もともと北米から入ってきた住宅工法の名前です。基本となる枠材の断面が約2×4インチであることから、この呼び名が使われています。

北海道立総合研究機構 林産試験場の報告には「ツーバイフォー工法は北米から導入された住宅工法」とあります(林産試験場 報告)。日本ではこの工法の材を枠組壁工法構造用製材と呼び、JAS 600で寸法型式が定められています。204、206といった3桁の数字は、この寸法型式の呼び方です。

やりがちな誤解は、2×4を板材の一般名と思ってしまうことです。2×4は工法と寸法型式に由来する名前なので、決まった断面寸法を持つ材の呼び名です。同じ断面に見える角材でも、別の規格の製材であれば2×4とは呼ばれません。

ラベルに1×4、2×4、2×6といった表示がある場合は、枠組壁工法構造用製材の寸法型式がもとになっていると考えられます。規格名や寸法型式が書かれていれば、その数字で実寸を規格表から確認できます。

寸法型式の3桁は厚さと幅の呼び名を並べたもの

104や204といった寸法型式は、厚さと幅の呼び名を並べた3桁の数字です。204なら厚さの呼びが2、幅の呼びが4という意味で、実際の寸法はJASの規定寸法で決まります。

農林水産省の審議資料に掲載された規定寸法によると、乾燥材の場合、104は19×89mm、204は38×89mm、206は38×140mm、210は38×235mmです(農林水産省 審議資料)。呼び名の数字はインチに由来しますが、乾燥と寸法仕上げを経た材の実寸は、その数字よりも小さく定められています。

具体例として、1×4は幅の呼びが4でも、乾燥材の規定寸法は19×89mmです。幅も厚さも、呼びの「1」と「4」から想像する寸法とは違います。下の表で、主な寸法型式の乾燥材と未乾燥材の規定寸法を並べました。

設計するときは、呼び名ではなく、表の実寸で寸法を割り付けてください。個別の販売品の実寸は、メーカーや販売元の表示も合わせて確認すると確実です。

📊 寸法型式と規定寸法を比較(JAS 600・単位mm)
寸法型式(呼び名) 乾燥材(含水率19%以下) 未乾燥材(含水率19%超)
104(1×4) 19×89 20×90
204(2×4) 38×89 40×90
206(2×6) 38×140 40×143
208(2×8) 38×184 40×190
210(2×10) 38×235 40×241
404(4×4) 89×89 90×90

出典:農林水産省 枠組壁工法構造用製材のJAS(JAS 0600-1 新旧対照表)、同 審議資料(平成22年)

あわせて読みたい
1 4材サイズは19×89mm|4インチ幅にならない理由と長さ・2×4との違い ホームセンターの木材売り場で1×4と書かれた板を手に取り、寸法を測ってみたら4インチどころか少し細い。そんな経験から、1×4材の本当のサイズを調べている方は多いはず...

含水率19%を境に規定寸法が変わる

同じ寸法型式でも、乾燥材と未乾燥材では規定寸法が違います。境目は含水率19%で、これを超えるものが未乾燥材です。

農林水産省の審議資料の規定寸法表には「寸法型式 未乾燥材(含水率が19%を超えるものをいう」と書かれており、未乾燥材の欄は乾燥材より少し大きな寸法になっています(農林水産省 審議資料)。たとえば204は、乾燥材が38×89mm、未乾燥材が40×90(単位はいずれもミリ)です。木は乾くと縮むため、乾燥前の材は縮む分を見込んだ寸法で決められていると考えると理屈が通ります。

家のDIYでありがちなのは、未乾燥材を寸法どおりに組み、室内で乾いていく間に縮んで、継ぎ目にすき間が出るケースです。最初はぴったりでも、時間がたってから形が変わるのが未乾燥材の難しいところです。

室内の家具や棚に使う材は、乾燥材かどうかをラベルで確認しましょう。乾燥材の規定寸法で設計しておけば、購入後の寸法変化も小さく抑えやすくなります。乾燥の程度を表す記号は、次の章で詳しく扱います。

204・206・210の3種類で構造部材の約8割

寸法型式は種類が多く見えますが、住宅の構造部材として使われるのは一部の型式に集中しています。林産試験場の報告では、204、206、210の3種類で構造部材全体の約8割を占めるとされています。

報告によると、204材(38×89mm)、206材(38×140mm)、210材(38×235mm)の3種類で、構造部材全体の約8割になります(林産試験場 報告)。売り場で2×4や2×6をよく見かける背景には、住宅の構造でこれらの型式が中心になっていることが関係していると考えられます。

DIYでの使い方としては、寸法型式をそろえて設計すると、204・206・210の規定寸法が38×89mm・38×140mm・38×235mmのように厚さの数値で共通するため、組み立ての段取りが単純になります。2×4と2×6を組み合わせる場合も、厚さは同じで幅だけが違うので、継ぎ目の段差が出にくくなります。

ただし、厚さが同じでも幅が変われば重さや必要なビスの本数も変わります。設計の段階で、使う寸法型式の実寸を表から写しておき、ビスの長さや本数をそこから決めるのがコツです。

⚠️ やりがちな失敗:呼び名の数字で設計してしまう

状況:1×4を何枚か並べて棚板にする計画で、幅を4インチ分と想定して割り付けた。
原因:1×4は呼び名で、乾燥材の実寸はJASで19×89mmと定められている。呼び名の数字から換算すると、並べたときの合計幅が設計より短くなる。
対策:設計図には寸法型式の規定寸法(実寸)を書き込み、購入時に個別の販売品の表示寸法も確認する。

SD15・D18・板目——木の状態を表す名前で反りを読む

SD15とD15の違いは寸法仕上げをしたかどうか

SD15とD15は、どちらも人工乾燥した材の表示記号ですが、Sが付くかどうかで意味が違います。Sは寸法仕上げをした仕上げ材、付かないものは寸法仕上げをしない未仕上げ材です。

製材JASの審議資料では、仕上げ材を「人工乾燥処理後,修正挽き又は材面調整を行い,寸法仕上げをした製材」、未仕上げ材を「人工乾燥処理後,寸法仕上げをしない製材」と定義しています(農林水産省 製材JAS審議資料)。乾燥すると木は縮んだり形が変わったりするため、乾燥後に挽き直したり表面を整えたりして寸法をそろえたものが仕上げ材です。

ありがちなのは、D15とSD15を同じものだと思い、未仕上げ材を買って寸法のばらつきに困るケースです。乾燥の程度は同じでも、寸法を整える工程を経たかどうかで、材ごとの寸法のそろい方が変わってきます。

正確な寸法で組みたい家具や棚には、Sの付いた仕上げ材の表示を目安にするとよいでしょう。未仕上げ材を使う場合は、自分でカンナや電動工具で寸法を整える前提で、少し余裕のある寸法を選んでください。

記号の数字は含水率の上限——15と18、天然乾燥は30

SD15やD18の数字は、含水率の上限を表しています。15なら含水率15%以下、18なら18%以下です。数字が小さいほど、より乾いた材という意味になります。

製材JASでは、造作用製材の人工乾燥の含水率表示記号として、仕上げ材にSD15(15%以下)とSD18(18%以下)、未仕上げ材にD15とD18が定められています。構造用製材では区分が違い、仕上げ材がSD15・SD20、未仕上げ材がD15・D20・D25です。天然乾燥処理を施した旨を表示するものについては、含水率試験の結果、含水率の平均値が30%以下であることが条件とされています(農林水産省 製材JAS審議資料)。人工乾燥の記号と天然乾燥の表示では、基準の数字が違う点に注意が必要です。

やりがちな誤解は、天然乾燥と書かれていれば十分に乾いていると判断してしまうことです。天然乾燥の表示の基準は平均値30%以下で、人工乾燥の15%や18%とは水準が違います。室内で使う精度の高い家具に、乾燥の程度を確認せずに使うと、あとから縮みが出る可能性があります。

ラベルの記号は、Sの有無で寸法仕上げ、数字で乾燥の程度、と2段階で読むのがコツです。下の手順で、売り場での読み方を整理しました。

⏱️ 乾燥表示の読み方の流れ
Step1:ラベルやスタンプにJASの表示と乾燥の記号があるかを探す
↓
Step2:先頭にSがあれば寸法仕上げをした仕上げ材、なければ未仕上げ材と読む
↓
Step3:数字を含水率の上限として読む(15なら15%以下、18なら18%以下)
↓
Step4:天然乾燥の表示なら、基準は平均値30%以下で人工乾燥とは水準が違うと確認する

板目幅と柾目幅で縮み方が違う

木材は、方向によって縮み方が違います。板目幅にあたる接線方向が最も大きく縮み、柾目幅にあたる半径方向、繊維方向の順に小さくなります。板目・柾目という名前は、この縮み方の違いと結びつけて覚えると役立ちます。

林産試験場の資料には「木材には,収縮異方性があります。」とあり、収縮率は接線方向で最も大きく、半径方向、繊維方向の順に小さくなると説明されています(林産試験場 資料)。別の製材技術の報告では、接線方向を板目幅、放射方向を柾目幅として扱っています。膨張率にも同じ順序があてはまるので、湿気を吸ったときも方向によって膨らみ方が違います。

乾燥中に出る狂いについて、林産試験場の資料は、材の構成要素の異方的収縮による狂いなど複数の種類を挙げています。板目材の幅ぞりについては、乾燥のときに桟木を適切に配置することが効果的とされています(林産試験場 資料)。

反りの向きを木表・木裏で読む方法もありますが、本記事では公的資料で確認できた収縮の方向に話を絞ります。幅の広い板目の材は幅方向の動きが大きくなりやすい、と覚えておき、広い面に使うときは固定のしかたにも余裕を持たせてください。

⚠️ やりがちな失敗:乾燥表示を見ずに板目の幅広材を買う

状況:天板用に幅の広い板を、乾燥表示を確認せずに買い、買ってきた日にすぐ組み立てた。
原因:木材は接線方向(板目幅)の収縮が最も大きく、乾燥の程度が分からない材は室内で乾く間に幅方向に縮んだり反ったりしやすい。
対策:SD15などの乾燥表示がある材を選び、保管するときは桟木をはさんで平らに置く。幅の広い面は、木の動きを見込んだ固定のしかたを検討する。

心材と辺材は木口の中心と外側の呼び分け

心材と辺材は、丸太の木口を見たときの中心部と樹皮に近い外側の部分を呼び分けた名前です。含まれる成分が違うため、材の色が変わります。

林産試験場のカラマツの解説では、木材を木口から見たとき、中心部の心材と樹皮に近い辺材に分けられ、含有成分の違いから材色が異なると説明されています(林産試験場 資料)。スギでは辺材が白っぽく、心材が黄色味を帯びた赤褐色になり、ヒノキやトドマツでは両者の色の差がはっきりしません。

具体的な場面としては、スギの板を何枚か並べたとき、1枚の中に赤い部分と白い部分が混ざっていたり、板ごとに色の割合が違ったりします。色をそろえたいのに、この違いを考えずに並べると、仕上がりがまだらに見えることがあります。

見た目を重視する作品では、材を買うときに木口や表面の色を見て、心材と辺材の割合が近いものをそろえるとよいでしょう。塗装で色を整える場合も、もとの色の違いが仕上がりに影響することがあるので、目立たない部分で試し塗りをしてから全体に塗るのが安全です。

集成材・合板・LVLは接着のしかたで名前が変わる

集成材はひき板の繊維方向をそろえて貼り合わせた材

集成材は、ひき板や小さな角材の繊維方向をほぼそろえて、厚さ・幅・長さの方向に接着した材です。1本の木から挽いた製材とは、つくり方の名前で区別されます。

集成材のJASでは、一般材としての集成材を「ひき板、小角材等をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さの方向に集成接着をした」ものと定義しています(農林水産省 集成材のJAS(JAS 1152-1 新旧対照表))。小さな材を接着でつなぐことで、1本の木からは取りにくい幅や長さの材をつくれるのが、この構造の特徴です。

売り場でありがちな戸惑いは、表面に細い板を貼り合わせた継ぎ目の模様があるのを見て、品質の差と受け取ってしまうことです。継ぎ目は集成材というつくり方そのものの特徴で、名前を知っていれば見分けがつきます。

集成材を選ぶときは、ラベルにJASの表示や用途の記載があるかを確認しましょう。本記事では、接着で組み上げていない製材を、対比として便宜上無垢材と呼びますが、表示の言葉は販売元によって違うことがあるので、つくり方の説明で確かめるのが確実です。

合板は単板を直交、LVLは平行に重ねる

合板とLVLは、どちらも薄い単板を重ねて接着した材ですが、繊維方向の向け方が違います。合板は繊維方向をほぼ直交させ、LVLはほぼ平行にそろえます。この違いが名前を分けています。

林産試験場の解説では、合板の日本農林規格を紹介し、合板は単板3枚以上を主として繊維方向を互いにほぼ直交させて積層接着されたものとされています。LVL(単板積層材)は、単板の繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着されたものです(林産試験場 解説)。集成材がひき板を貼り合わせるのに対し、合板とLVLは単板を重ねる点も違いです。

前の章で見たように、木材は方向によって縮み方が違います。繊維方向をそろえるか交差させるかは、この性質との付き合い方の違いと言えます。名前だけ見て同じ貼り合わせの板と考え、用途を確認せずに選ぶのはありがちな失敗です。

合板には用途や水への強さで分けた区分もあります。ベニヤ板として売られている材を選ぶときは、合板のJASの用途区分の表示を確認すると、使う場所に合うかを判断しやすくなります。

あわせて読みたい
ベニヤの種類は6つの用途区分で選ぶ|特類・1類・2類の水への強さとF☆☆☆☆の意味 ホームセンターの木材売り場で「ベニヤ」と書かれた板を探すと、ラワン、シナ、構造用、針葉樹、化粧合板と名前がいくつも並んでいて、どれを買えばいいのか迷いますよ...
📊 接着でつくる材の違いを比較
項目 集成材 合板 LVL(単板積層材)
材料 ひき板、小角材等 単板(3枚以上を主とする) 単板
繊維方向 互いにほぼ平行 互いにほぼ直交 互いにほぼ平行
接着のしかた 厚さ・幅・長さの方向に集成接着 積層接着 積層接着
確認したい表示 JASの表示と用途 JASの用途区分 JASの表示と用途

出典:農林水産省 集成材のJAS、林産試験場 解説

作るものと読者タイプで名前の見方を変える

木材の名前のどの軸を優先して見るかは、作るものによって変わります。ここでは読者のタイプ別に、ラベルで先に確認したい名前を整理します。

初めて棚を作る人は、形と状態の名前を優先してください。1×4や2×4のように寸法型式で実寸が決まっている材や、SD15のように寸法仕上げと乾燥の程度が表示された材は、設計した寸法と実物が合いやすいからです。呼び名ではなく実寸で図面を書くことが、最初の失敗を防ぐ近道です。

水気のある場所や屋外寄りで使いたい人は、樹種名を重視しましょう。三重県の資料でヒノキは耐久性に優れ水に強いとされる一方、林産試験場の資料でトドマツの耐朽性は低めとされています。SPFの表示がある材を屋外に置く場合は、塗料メーカーの案内で保護の方法を確認してください。

見た目や木目を重視する人は、心材と辺材の色の違いと、用途区分の造作用の表示を見てください。広い面を一枚でつくりたい人は、集成材や合板といったつくり方の名前を確認し、JASの表示と用途を照らし合わせると選びやすくなります。どのタイプでも、4つの軸のうちどれを優先するかを決めておけば、売り場で迷う時間は短くなります。

まとめ:木材の名称は4つの軸で読めば迷わない

🔧 この記事の結論

木材の名称は、樹種・形・乾燥・つくり方の4つに分けて読むと整理できます。まずは手元の材のラベルから寸法型式と乾燥表示を探してみましょう。

✅ 要点チェック
  • ✔ 針葉樹と広葉樹:仮道管か道管かという細胞の違い
  • ✔ 樹種名:比重は範囲で見て、性質は公的資料で確認
  • ✔ 板類と角類:短辺75mmと長辺4倍の比率で決まる
  • ✔ 1×4・2×4:呼び名なので実寸はJASの規定寸法で
  • ✔ SD15・D18:Sは寸法仕上げ、数字は含水率の上限

木材の名前は、植物の分類、JASの用語、売り場の呼び名という出どころの違う言葉が混ざっているため、ややこしく見えます。けれど、樹種・形・状態・つくり方の4つの軸に振り分けて読めば、それぞれの言葉が何を表しているかははっきりします。最初の一歩として、次に材を買うときはラベルの言葉を1つずつ4つの軸に当てはめ、実寸と乾燥表示の2つだけは必ずメモしてから設計図に書き込んでみてください。呼び名で設計しない、乾燥表示を確認する、という2つの習慣だけでも、寸法のずれや反りの失敗は減らせます。

※規格は改正されることがあるため、最新の内容は農林水産省の公式ページでご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

工具・DIYの教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

コメント

コメントする

目次